■第11回「外に出るのも、市長の仕事」
今、国の行政機関が集まる霞ケ関から行田に戻る車中にいます。今号のコラムは何を書こうかと考えながら、昨年5月の市長就任以来、霞ケ関への訪問回数を数えてみました。訪問日数は19日、件数は40件くらい。大会や会議が15回。他の首長と比べても多いと思います。
訪問先として一番多かったのが地方創生などの内閣府、道路や地域交通、観光などを所管する国土交通省、次が総務省、文部科学省。お会いする方は、係長から課長、審議官、局長とさまざまで、アポなしで事務次官とお会いすることも何度かありました。霞ケ関を訪ねると、国会議員時代の私を覚えている官僚の方が思いの外多く、廊下を歩いていると「〇〇の時はお世話になりました!」などと声を掛けて下さる方もいます。なるほど。私の強みを行田市のために生かさない手はない。霞ケ関の他、国会議員の事務所がある永田町、国の出先機関があるさいたま新都心、埼玉県庁がある浦和も時々訪問しています。
市長が直接足を運び、直接政策を訴え、要望することの効果は大きいと、確かな手応えを感じています。令和6年度の当初予算では、行田市として遅ればせながら初めて申請した「デジタル田園都市国家構想交付金」5件のうち、なんと4件が採択され、正直驚きました。「地域観光新発見事業」は観光庁のハードルの高い補助事業で、約2,400件の申請のうち、たった50件の重点支援事業に選ばれました。
市役所の仕事は究極のチームプレイ。これは私が常日頃から市の職員に伝えていることです。市民の皆さんの声を聴くこと、これは市長に限らず全ての職員に求められる役割です。その上で職員はアイデアを出し、知恵を絞り、企画書を作成する。市長は施策を決定し、国や県に対し市の現状や政策を訴え、支援をお願いする。職員にしかできないことがある、市長にしかできないこともある。行田市のためになるなら、霞ケ関だけでなく、どんどん外に出ていく。これも市長の重要な仕事なのです。
行田市長 行田邦子
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