■パリ2024パラリンピック競技大会 ブラインドフットボール日本代表 鳥居健人選手
幼少期に網膜芽細胞腫を発症。目の手術により全盲となる。11歳の時にブラインドフットボールに出会う。
▽選手の素顔
小さいころから手先が器用で趣味は料理。
腕前は周りが驚くほどで、ふだんは基本的に自炊。思い入れのある料理は一からこだわって作った「豚の角煮」だそうです。
インタビュアー:ー初めてのパラリンピックはいかがでしたか。
鳥居選手:会場に入場し、歓声を聞いたとき、鳥肌が立ちました。これまでさまざまな大会に出場してきましたが、初めての経験でした。
インタビュアー:ー緊張はしませんでしたか。
鳥居選手:私はあまり緊張しないタイプですが、プレッシャーは感じていたのかもしれません。ただ試合が始まると、この大歓声の中でいいプレーをしたい、とにかく楽しみたいという気持ちのほうが強かったです。
インタビュアー:ー試合では攻撃の姿勢・守備の姿勢が誰よりも強かった印象でした。
鳥居選手:3試合目のアルゼンチン戦は闘争心の塊で臨みました。これまでの試合で結果が残せず、チームは落ち込んでいました。なんとか1点取ってムードを変えたかった。どのような状況でも全力を出し切るんだという強い気持ちがありました。
インタビュアー:ーブラインドフットボールの特徴を教えてください。
鳥居選手:まずは、「見える人」と「見えない人」が同じピッチに立って協力して勝利を目指します。同じ空間で協力して競技が成り立つところが魅力です。
もう一つは、「見えない人」がいちばん自由に動けるスポーツだということです。自分が思い描くイメージや、瞬間的に湧き上がるひらめきを瞬時に行動に移せる競技、それがブラインドフットボールだと思います。
インタビュアー:ー試合ではどのように状況を把握していますか。
鳥居選手:ボールの音や相手の声に加え、ゴールキーパー、ガイド、監督など「見える人」からの声です。これらの音や反響を捉え、瞬時にピッチ全体を把握する空間認知も大切で、技術を生かし、プレーしていくために欠かせないものです。
インタビュアー:ー「free bird mejirodai(フリーバードメジロダイ)」について教えてください。
鳥居選手:「free bird mejirodai」は友人と一緒に作ったチームで日本一を目標に掲げ、どのチームよりも厳しい練習をしています。全員が攻撃・守備をする「トータルフットボール」を掲げ、日本選手権やクラブチーム選手権などで日本一を獲得することができました。チームから羽ばたいて、自由にブラインドフットボールというものを各地で広めてほしい、という思いがチーム名の由来です。
インタビュアー:ー越谷市といえばどんなイメージを思い浮かべますか。
鳥居選手:一言で表すと「帰ってくる場所」ですね。パラリンピック後、久しぶりに実家に戻ったとき、落ち着いて過ごせました。私は小さい頃からずっと越谷に住んでいたので、魅力をひと言で語るのは難しいのですが、帰ってくると安心します。
インタビュアー:ー最後に、市民へのメッセージをお願いします。
鳥居選手:ブラインドフットボールのことを多くの人に知ってもらいたいです。会場での観戦、映像での観戦、いろいろな機会がありますので、まずは知って、興味をもってもらい、そして応援してもらいたいと思います。
私は視力を失いましたが、障がいをもっていても、一人ひとりがそれぞれ違う個性を持っています。お互いを知って、理解していくことが大切だと思っています。
※二人のインタビューは市ホームページ(倉橋香衣選手 HP…94316、鳥居健人選手 HP…94317)に掲載します
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