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ホームドクター 639

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埼玉県越谷市

■聴こえ8030運動ご存じですか?
越谷市医師会 登坂耳鼻咽喉科医院 登坂薫(とさかかおる)

2024年の大阪の日本耳鼻咽喉科学会で「耳、聞こえてまっか!難聴は認知症の最大のリスクです」が取り上げられました。学会では、80歳で30dB(ささやき声が聞こえるレベル)の聴力を保つことを目標に啓発活動を行っています。しかし現状、その達成率は30%にとどまっています。難聴は認知症の最大の危険因子の一つであり、コミュニケーション障害や抑うつ状態、危険を察知する能力の低下なども引き起こします。そのため、次の対策が推奨されています。

▽1 65歳以上は定期的に聴力検査を受ける
自覚症状がなくても耳鼻科医で検査を受け、30dBの聴力が保たれていれば年1回の検査を継続する。

▽2 難聴が認められた場合は補聴器を使用する
加齢性難聴の対策には補聴器が有効で、効果が不十分な場合は人工内耳を検討する。

▽3 補聴器使用にあたって補助制度を活用する
・身体障害者認定…基本的に購入費の自己負担が1割になる
・医療費控除…耳鼻科医の診療情報提供書をもとに確定申告で申請可能
・補聴器購入補助…越谷市の条件を確認し適用を受ける(3万円の補助)。

補聴器をお考えの場合、学会が認定した補聴器相談医を受診してください。補聴器は高額な医療器具ですが、適切な補助を利用することで負担を軽減できます。また、家族や友人の支援も重要です。難聴者を無視せず、区切って話す、補聴器の効果を肯定的に伝えるなどの配慮が、補聴器使用への意欲を高め、認知症予防につながります。
65歳を迎えたら聴力検査を受け、聞こえづらいと感じたら早めに耳鼻科を受診し、適切な対応で快適な生活を取り戻しましょう。そして健康寿命を市民全員で延伸しましょう。

問合せ:越谷市医師会 登坂耳鼻咽喉科医院
【電話】962-7119

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