■生きとし生けるものすべてが共存共栄できる国へ
林業に関する会議に出席した時のこと、雑談の中で旧大滝村に生まれ住む委員が「最近熊に襲われた話をよく聞くが、昔から秩父の熊は人を襲うことはしない」と言いました。根拠はなく今までの経験からの話でした。ところがその数日後、小鹿野町の女性が自宅庭で花を摘んでいて熊に襲われ大怪我をしたとのこと。長瀞町もたまに熊の目撃情報が寄せられるため、長瀞第一小学校・長瀞中学校では全生徒に熊除け鈴を配布しています。みなさんにはくれぐれも注意をしてほしいとの思いでいましたが、去る8月23日付全国農業新聞に奥多摩ビジターセンターで2頭の雄熊にGPSの受信機を付けて軌道を調べたところ、一頭は長野県千曲川源流へ、もう一頭は長瀞町へ来て戻ったとの記事があり、大変驚きました。熊は子どもが生まれるとしっかり食べさせなければとの使命感が強く、どこまでも食料を探しに行くのだそうです。野山を歩かれる方はぜひ最善の注意を払っていただきたいと思います。1956年から行われた「拡大造林政策」で原生林を大規模に伐採し人工林に替えました。しかしその後の木材の輸入自由化で利用されることはなく山は荒廃。雑木の実などを食料としている野生動物が食料を求めて人里に出没、人々の生活が脅かされています。これは人間が動物達の生態系を壊した結果から生じたことであり、この事態の解消は一朝一夕では無理と考える時、森林環境譲与税の使い道には一考を要するのではないかと強く思うのです。 感謝
「速度を上げるばかりが人生ではない」
ガンジー(インドの政治指導者)
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