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飯能市の史跡・文化財を訪ねる(8)-2

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埼玉県飯能市

■飯能市指定有形文化財 店蔵絹甚(みせぐらきぬじん)
店蔵絹甚は、店蔵、居宅、土蔵(どぞう)の3つの建物から成ります。大通りに面している店蔵は、明治37(1904)年に、篠原甚蔵(しのはらじんぞう)・長三(ちょうぞう)親子によって建てられました。当時、甚蔵は絹の買い継ぎ商を営み、繭(まゆ)や生糸、蚕種(さんしゅ)、絹織物を取引していました。絹甚という屋号は、「絹」屋の「甚」蔵からつけられました。
店蔵は土蔵造二階建て、屋根は瓦葺(かわらぶき)で青海波(せいがいは)の棟飾りが見事です。下屋(げや)の両側には、飯能市域の建物で唯一のうだつ(防火壁)が上げられています。また、外壁は最高級の黒漆喰(くろしっくい)で仕上げられ、人見梁(ひとみばり)(入口上部の梁)には幅60センチメートルを超える欅(けやき)材が使われており重厚な雰囲気を醸し出しています。
さらに、居宅との境に設置された重厚な店蔵扉(防火壁)や土間と見世座敷を仕切る揚戸(あげど)など、建物各所が見所に溢れています。
絹甚の建物は、篠原家の商業活動の終了に伴い明治43(1910)年に人手に渡ってしまいます。しかし、後に子孫の方によって買い戻され、平成16(2004)年に本市に寄贈されました。
建物群の様相が明治期の姿を非常によく残しており、飯能市の近代化を支えた建物として貴重であること、そして飯能の市(いち)における土地利用の状況がよくわかる建物群として貴重であることから、平成19(2007)年3月29日に飯能市指定有形文化財(建造物)となり、平成19年度には復原修理が行われました。
現在は一般公開されているほか、さまざまなイベントも開催され、町のシンボルとして愛されています。

問い合わせ:生涯学習課
【電話】973-3681【FAX】971-2393【メール】syogai@city.hanno.lg.jp

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