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新春対談(1)

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埼玉県鳩山町

鳩山町長 小峰 孝雄
仙台育英学園高等学校 硬野球部監督 須江 航(すえわたる)

今回は新春対談として、第104回全国高等学校野球選手権大会において、東北勢初の全国制覇を成し遂げた、鳩山町出身で仙台育英高校野球部監督の須江航監督をお迎えし、お話を伺いました。生徒たちへの教育方法や故郷・鳩山町への思いをお話しいただきました(文中敬称略)。

■こどもたちとの対話が重要
町長:「鳩山町人権問題を考える町民の集い(令和5年12月2日開催)」では、講演をしていただきまして、ありがとうございました。講演会の中でもお話しいただきましたが、指導者として生徒と日々関わる中で、接するときに意識されていることはどんなことでしょうか。
須江:今はこどもたち一人一人のキャラクターが、昔に比べるとすごく立ってるんですね。それは情報があって、モデルとなるような、インフルエンサーと呼ばれるような人達だとか、芸能人が昔に比べると身近になったので、なりたい自分がより見えているところがあると思うんです。だからこそ個人のキャラクターが立ってるので、個人の理解をしっかりしてあげないと集団としての体をなさないですよね。
なので、一律に何かを教えるというのがとても難しい時代になってると思います。対話を通じたコミュニケーションを増やしていく必要があるのかなっていう風に思ってますね。

■町としてできること
町長:教育の根本的な役割っていうのは、こどもの自己実現をどう手助けしていけることかなと思っているんですよ。行政として、自らの夢や希望を叶えるための環境作りを、どういう形でお手伝いできるかということじゃないかなと思います。
須江:仙台では行政の皆さんとのお話し合いに、ご招待いただくことが多いんですが、鳩山独自の問題や課題があると思うんですね。
僕としては、こどもたちにしていただきたい教育ってとてもシンプルで、それは「本物に触れること」です。その各分野のプロフェッショナルな人間に触れてもらいたいですね。それがリアルで触れてもらうことができれば1番良いですが、オンラインであろうと、そういう機会をこどもたちに提供していただきたいです。東京都じゃないとこどもが育たないわけじゃないですから、むしろ鳩山っていう環境の中でこそできることっていうのがあると思います。部活なども活動しづらい時代になってるので、その代わりに、その時間何するのとなったら、そういうような時間にしていただきたいなっていう風に思います。こどもたちを育てていく上で、職業観みたいなものを養ってもらいたいとすごく思います。
あとは、鳩山町は空き家とか多いじゃないですか?空き家の有効活用とか、リノベーションがものすごくテーマになっていくと思います。
私が鳩山町で住んでいたところも一度更地にして、そのあとに住まわれている方って、まさにそういう使い方されてるんですよ。
リノベーションで事務所兼住居みたいにできれば、そこにオフィス街みたいなものができるかもしれない。今はどこにいても仕事ができる時代なので、地域との結びつきとか、連携だとかは無限の可能性があると思います。
町長:今年は、空き家等の利活用と同時に子育て世代の移住を支援していきたいと考えています。須江監督が言われたような面も含みながら、様々なことに挑戦し、取り組んでいくには、時間もかかりますけども、まずは子育て世代の移住を促す補助制度を考えています。
須江:落ち着いた環境を好むような若い世代だったら、とても魅力的なまちだと思いますよね。今日、子育て世代となった当時の同級生がたくさん来てくれていて、今鳩山町に住んでいる方もいて、なんとなくリアルな声は分かります。

■須江先生の教育観について
町長:今日、講演を聴いていて素敵な教育観を持っていらっしゃると思いました。須江監督はどこでこういった教育観を身に着けたんでしょうか。
須江:ありがとうございます。どこで学んだのかっていうのは分からないですけど、なんていうんですかね、私自身、日の当たる場所にずっといなかったんですよね。
こうだったらいいなあみたいなことは思っていて、高校生の時も、控えの選手でもこういう風に練習できたらいいなあとか。逆にできる側の気持ちが分からないので、プロに行くような子たちの気持ちの方が分かってあげられなくて、うまく成果が出てない子やコンプレックス抱えてる子の気持ちの方が分かるんです。
町長:そうすると、例えばどこかで教育観を学んでというよりは、自身の長い経験の中で積み重ねたものが集大成としてでてきたということですか。
須江:そうですね。特別なことをしたといえば、25歳から30歳の間でジャンルを問わず、サッカー、バスケットボール、バドミントン、水泳、吹奏楽、演劇、マーチングなどの有名な高校や中学校の先生のところを訪ねて練習を見学させていただいたり、その先生とお話しするみたいなことはしました。それがかなり影響を受けています。私は結局何者でもないので、何も持っていないから、持っている人のところに行くっていう1番ずるいやつです(笑)。

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