【特集】地域の発展と子どもたちに夢と希望を届ける花火

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■笑顔があふれる花火大会に
「花火師の神田隆広さん(本家神田煙火工業(有)・東秩父村)。花火への情熱は人一倍。常に創意工夫をしています。」

平成14年第1回こうのす花火大会から花火を手掛ける神田隆広さんは、江戸時代から続く花火師の家系で、その6代目です。
こうのす花火大会には商工会のつながりで携わるようになりました。「これまで共に成長をしてきたので、こうのす花火大会には特別な思いがあります」と思い返すように話します。「地域を盛り上げるために皆さんボランティアでやっていて、私もできることを精いっぱいやっています。みんなで作り上げているっていう認識ですね」。共同作業だと神田さんは言います。
花火大会の見どころについて伺いました。「こうのす花火大会は大きい花火が多いのが特徴です。『鳳凰乱舞(おおとりらんぶ)』は全国の花火大会にも負けない大型プログラムになっています。それと、音楽コラボは個人的にも好きで、音に合わせて花火を打ち上げるタイミングは腕の見せどころですね。四尺玉は川幅日本一の鴻巣ならではの珍しい花火で、他ではそうそう見ることができない特殊な魅力があります。ぜひ、花火を目で見て味わってほしいです」。
最後に、こうのす花火大会の今後について伺いました。「花火という文化は、皆さんの理解と協力がないと継続できません。20年続いたというのは本当にありがたいことで、この先もずっと続いてほしいと思っています。笑顔創出をテーマに、時代が変わる中で続けていくためには何が必要か考え、常に花火を進化させています。これからも楽しみにしてもらいたいです」。

「花火玉の作業現場では、3人の職人がひとつひとつ丁寧に手作業で製作しています。」

■協力してくれる皆さんに感謝
「こうのす花火大会実行委員長を務める栁健太郎さん。市商工会青年部に所属し、普段は建設業を営んでいます。」

市商工会青年部を中心に市民のボランティアで運営される『こうのす花火大会』。その第20回目の実行委員長を務めるのが栁健太郎さんです。「実行委員長を務めるのは2度目なんです」と笑いながら話す栁さん。今回5年ぶりに四尺玉を打ち上げることが決まり、平成25年の四尺玉打ち上げ発起人であり、実行委員長の経験もある栁さんに白羽の矢が立ったそうです。
「1月から準備を始めていますが、今年は人手不足や価格高騰でかなり苦労しています。実行委員は自身の仕事と両立しての準備で大変です。それでも、皆さんからの期待や励ましの言葉で頑張れています」と力強く語ります。
花火大会の見どころについて伺うと、予想外の答えが返ってきました。「開催前の準備をしているボランティアの姿を見て欲しい。その姿を知れば、この花火大会の印象が大きく変わると思います。先日も鴻巣中学校の皆さんが観客席のブルーシート作りをしてくれました。花火大会翌日のゴミ拾いも多くのボランティアがやっているんです」。そこが他の花火大会とは違うと言います。
「花火大会は、まちがひとつになるほどのイベントに成長しました。これも準備から片づけまで協力していただいているボランティアのおかげです。この感謝があるからこれまで続けてこられました。大会の影で尽力しているボランティアの凄さが花火を見ている皆さんにも伝われば、こうのす花火大会はもっと発展し、いつまでも続いていくと思います」。

「多くのボランティアの手によって花火大会は開催されています(会場設営の様子)。」

◆花火大会豆知識「スターマインって何?」
花火大会のフィナーレを飾ることも多い人気のプログラム「スターマイン」。作品名のように見えますが、スターマインは花火の名前ではありません。スターマインは、いわゆる「打ち上げ方法」のことで、「速射連発」の打ち上げ方を指す名称です。数十発から数百発の大規模な連発までもスターマインと呼ばれています。
こうのす花火大会のスターマイン「鳳凰乱舞」では、四尺玉・三尺玉を含む尺玉300発が打ち上げられます。

「こうのす花火大会の最後を飾る「鳳凰乱舞」は迫力満点で圧倒されます。」

◆こうのす花火大会のココがすごい!
▽ギネス世界記録に認定された四尺玉
平成26年第13回こうのす花火大会で打ち上げられた四尺玉が「最大の打ち上げ花火」としてギネス世界記録に認定されました。その重さはなんと約464kg。
▽1分間の尺玉以上の花火打ち上げ数日本一
平成23年第10回こうのす花火大会で約4分間に尺玉300発・三尺玉2発の計302発の花火が打ち上げられ、日本一に認定されました。

「鴻巣駅東口ロータリーに設置されている「四尺玉煙火筒」は、実際に四尺玉打ち上げ時に使用されています。」