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自治体の皆さまへ

【特集】認知症を知る、支える。認知症と共に生きる。(1)

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埼玉県鴻巣市

「自分には認知症は関係ない」と思っていませんか。
高齢化が進む中、全国の認知症高齢者の数は年々増加し、65歳以上の5人に1人が、認知症となることが予測されています。
年齢を重ねるほど発症する可能性がある認知症ですが、65歳未満で発症する「若年性認知症」もあり、今や認知症は誰もが関わる可能性のある身近な病気です。
もし自分や家族、あるいは友人や知人が認知症になったとき、あなたはどうしますか。
認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、今回の特集では、認知症の正しい理解と、地域のサポート体制について紹介します。
認知症を自分ごととして考え、共に過ごせる社会を目指しましょう。

※チェックシートの全部を市HPで公開しています。ご家族で確認してみましょう。チェックがいくつか見られると認知症のサインかもしれません。その場合は、かかりつけ医に相談しましょう。

■認知症を知る
「物忘れ?」「アルツハイマー?」「脳の病気?」「物をなくす?」
知っているようで知らない、認知症の正しい知識を専門医に伺いました。
わたまクリニック
玉谷真一 理事長
○認知症ってどんな病気?
認知症とは一つの疾患単位ではなく、さまざまな原因疾患によって起こる状態です。一般的には、一度正常に発達した認知機能が後から起こる様々な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態で、それが意識障害がないときにみられるものです。認知症にはいろいろなタイプがあります。

アルツハイマー病:全体の約3分の2を占め、物忘れや見当識障害※1を発症し、進行すると判断力や理解力が低下し、生活全般に支障をきたします。

血管性認知症:脳梗塞や脳出血などの脳卒中が原因でおこる認知症の総称で、脳卒中の後に突然発症し、再発するたびに悪化します。

レビー小体型認知症:認知機能障害が変動し、幻視、パーキンソン症状、睡眠時異常行動、自律神経症状等の症状が現れます。

前頭側頭型認知症:64歳以下の発症が多く、反社会的行動、常動的行動※2、食行動の異常等が特徴です。

○物忘れとは違う?
老化による物忘れは体験の一部分を忘れるのが特徴で、ヒントを与えると思い出すことができます。時間や場所などの見当がつき、日常生活には支障がありません。また、物忘れに対して自覚があります。
一方、認知症の物忘れは体験全体を忘れてしまい、ヒントを与えられても思い出せないことが多いです。新しい出来事が記憶できなかったり、時間や場所などの見当がつかないことが多く、日常生活に支障が生じます。また物忘れに対して自覚が乏しいのが特徴です。

○早期発見のポイントは?
「同じことを何度も言う」「探し物が多くなる」などの症状があるときは認知症の可能性がないか疑った方がよいでしょう。「料理の味付けが変わった」「服装に無頓着になった」などから家族が気づくこともあります。
ところが、家族や周りの人が「何か今までと違う」と違和感を覚えても、「歳だから仕方がない」と軽く考えたり、病院受診を勧めても本人が受診を希望しないことで家族が診察を躊躇して、認知症が進行してから受診されることが多くみられます。
気になったら一度医師に相談することが早期発見のポイントだと思います。

○早めの受診を
認知症のタイプによって治療方針が異なります。アルツハイマー病は軽度認知障害や初期の段階で、点滴治療を行うことで進行を遅らせられる場合があります。また、アルツハイマー病やレビー小体型認知症は、発病以降でも進行を遅らせる内服薬があります。
慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症、甲状腺機能低下症や栄養障害等により認知症の症状を呈する場合もありますが、これらは手術や薬で改善できることが多いです。
たとえ治すことが難しい認知症だとしても、早期に認知症と診断できれば、今後どのような経過をたどるのか本人も家族も知ることができ、将来の計画を立てたり、意思を確認することができます。あるいは認知症が原因の問題行動について事前に理解しておくことで、介助する方が対処方法を勉強することもできると思います。
認知症は誰にでも起こりうる病気です。認知症に限りませんが、早期発見・早期治療が大事です。「認知症かも?」と思ったら、まずはかかりつけ医に相談しましょう。

※1 時間や季節・場所の感覚が薄れ社会生活に支障をきたす障害
※2 同じ時間に同じ行動をすること

問合せ:介護保険課
【電話】(内線2672)

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