文字サイズ
自治体の皆さまへ

【特集】認知症を知る、支える。認知症と共に生きる。(2)

2/42

埼玉県鴻巣市

◎認知症になったあとも住み慣れた地域の中でいきいきと安心して暮らせるように

地域で認知症の方や家族を支えている皆さんを取材しました
【認知症を支える】
■認知症地域支援推進員
認知症地域支援推進員は、市と協働で認知症にかかわる様々な取組を推進している人たちです。「認知症になっても住み慣れた地域で暮らし続けるために行政と一緒に考えながら、地域で活動しています。具体的には、認知症なんでも電話相談(オレンジダイヤル)の開設や認知症カフェ(オレンジカフェ)の運営、認知症サポーター養成講座の開催などがあります。また、今年度から新たにご本人と家族を一体的に支援する一緒ミーティングという事業も開始しました。ボランティアの養成をはじめとした地域づくりも活動のひとつです」と活動内容が多岐にわたることを石井さんと新井さんが教えてくれました。
電話相談について片倉さんと坂内さんに伺うと、「物忘れが多くて病院の受診や対応をどうしたらいいかという、本人やご家族からの相談が多いです。不安や悩みを抱えて電話をいただくので、かけてよかったと思えるよう丁寧な対応を心がけています。早期発見と早期治療が大事です。なんでも相談してください」と話します。
「認知症の方でも活躍できる場がたくさんあります。認知症の方でも希望をもって生活ができる社会を創っていきたいので、皆さんも少しでも認知症に関心をもっていただいて、一緒に考えてほしいなと思っています」と語ってくれました。

▽認知症なんでも電話相談「オレンジダイヤル」
【電話】596-2283
毎週月・水曜日9時~16時
※年末年始、祝祭日を除く
認知症に関する相談全般を認知症地域支援推進員がお受けします。ご相談の内容など個人情報は守られますので、お気軽にお電話ください。

■認知症疾患医療センター(済生会鴻巣病院)
認知症疾患医療センターで勤務する鶴岡さん。認知症疾患医療センターは、認知症に関する専門医療相談や鑑別診断などを行い、地域の保健医療・介護機関と連携を図る地域の認知症疾患対策の拠点で、県内に10か所設置されています。
「私が勤めている済生会鴻巣病院は、鴻巣市・桶川市・上尾市・北本市・伊奈町を担当しています。認知症を診られる病院です。認知症かな、と思ったら悩まずにご相談ください。専門の相談員が認知症に関する様々な相談にお答えします」
認知症かどうかの診断や入院の相談を受けたり、相談窓口として認知症地域支援推進員につなげることもあるそうです。また、認知症に関する情報発信も行っているとのことでした。
「些細なことでも構いません。気軽にご相談ください!」

【電話】501-7191・八幡田849

■認知症サポーター
鴻巣市社会福祉協議会が主催する夏のボランティア体験プログラムの認知症サポーター養成講座を受講し、今年7月に認知症サポーターとなった小学6年生と4年生の加藤姉妹。受講した感想を伺いました。
姉の日向さんは「総合の授業で認知症について調べたことをきっかけに、もっと知りたいと思って養成講座を受けました。もし私の祖父や祖母が認知症になっても支えていきたいと思います」と力強く話してくれました。妹の葵さんは「劇を交えた講座で楽しく学ぶことができました」と笑顔で答えてくれました。

▽認知症サポーターの証「オレンジリング」
認知症サポーター養成講座を受講し、認知症サポーターとなった方に、オレンジリングをお渡ししています。定期的に講座を開催しているので、皆さんもぜひ受講してください。

■チームオレンジ
▽チームオレンジとは?
鴻巣市では、オレンジサポーターと認知症の方やその家族をつなぐ支援の輪を作る取り組みを行っており、その支援の輪を「チームオレンジ」と言います。

「チームオレンジの発足時から参加しています」オレンジサポーターとして活動する加藤典子さん。以前から『認知症の人と家族の会埼玉県支部』に所属し、ボランティア活動をしていましたが、鴻巣市内でも活動したいと思い、オレンジサポーターになりました。
「これからも積極的に認知症の方を支える活動に携わっていきたいと思っています」
普段の活動を伺うと「コーディネーターと連携して認知症の方の自宅に話し相手として訪問したり、オレンジカフェで活動をしています。本人だけでなく、家族の方も含めたサポートが大事なんです」と言います。
「自分も認知症になる気持ちで認知症に関心を持ってもらいたい。まずは関心を持つ入り口として、認知症サポーター養成講座などに皆さんも参加してほしいです」と最後に話してくれました。
鴻巣市には現在48人のオレンジサポーターがいます。認知症の方や家族とオレンジサポーターを中心とした支援をつなぐ役目を担っているのがコーディネーターの川久保さんです。
「つなぐときには、認知症地域支援推進員とも連携しながら支援計画を立てます。地域や相性などを一人ひとり考慮して決めています」これが大変なんですと笑いながら話す川久保さん。オレンジサポーターが活動に慣れるまでは一緒に同行もするそうです。
「認知症の方や家族が喜んでくれることが一番のやりがいです。オレンジサポーターは認知症の方に寄り添い、意欲的に活動してくれています」と語ります。
「ちょっとした手助けがあれば、まだまだ地域でいきいきと暮らしていける認知症の方が多いと感じています。そういった方たちとオレンジサポーターをつなげることで、少しでも地域の役に立つことができれば嬉しいです」

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU