【認知症と生きる】
コーヒーのいい香りがする部屋には、参加している皆さんの話し声や笑い声が響きます。オレンジサポーターとおしゃべりする人やコーヒーを味わう人、参加者同士でゲームを楽しむ人など、楽しみ方は様々です。
■オレンジカフェを運営する認知症地域支援推進員の石井さんに伺いました
公民館などで開催されるオレンジカフェ。今回取材した総合福祉センターのオレンジカフェには初参加を含む約30人が参加されていました。オレンジカフェとはどのような場所なのかお話を伺います。
▽地域の交流の場
ここは、認知症の方も安心して外出でき、参加者同士がつながれる場所です。認知症の方だけではなく、ご家族や認知症について知りたい、考えたい方など誰でも参加でき、お茶やコーヒーを飲みながら交流ができます。
参加した方からは、オレンジサポーターが声をかけてくれるので安心して参加できたとか、おしゃべりができて楽しかった、コーヒーがおいしくてよかったといった感想をもらいます。誰かとつながれると、悩みは自分だけのものではなかったと思えたり、つきあい方の工夫を知る機会にもなります。ご家族同士の交流も生まれています。
▽だれでも気軽に参加を
認知症の方は外出を渋ったり、慣れない場所に行くことを嫌がることが多く、家族も誘い方に悩むようですが、オレンジカフェであれば「おいしいコーヒーを一緒に飲みに行こうよ」と気軽に誘うことができます。帰り際に「こういうところは楽しいね。ここならまた来てもいいよ」と言ってもらえると私たちも嬉しくなります。笑顔が増え、外出する楽しみを取り戻す方もいて、オレンジカフェが良いきっかけの場になっているようです。どの会場でも認知症の専門職がいて、相談を受けることができます。どなたでもぜひ気軽に参加してください。
▽地域の輪を広げる
認知症の方や家族のサポートに取り組むオレンジサポーターをはじめ、楽器演奏をする方、コーヒーを淹れる方、アロママッサージをしてくれる方など、多くの方々がボランティアとして運営に協力してくださっています。また、認知症の家族の介護を経験した方が、同じ思いをしている方を支えたいと仲間に加わるなど、認知症を理解し支える地域の輪が確実に広がっているなと感じています。
▽認知症は他人事ではない
認知症について解説いただいた玉谷医師は「誰もが認知症になる可能性がある」と話していました。人生100年時代と言われる今日、認知症は他人事ではありません。もし周りに認知症の方がいなかったとしても、認知症に関する知識を持つことは、将来、自分のため、家族のためになるはずです。
認知症になったからといって何もわからなくなったり、何もできなくなるわけではありません。いろいろなことを忘れてしまっても感情は残っていて、思い通りにできない不安から問題行動をしてしまうそうです。認知症の方と接するときは、相手の言葉や気持ちを推測しながら、笑顔で接することを心がけてください。
鴻巣市には認知症を支える人たちがいて、支える場所もあります。早期発見するために、認知症についての正しい知識をしっかりと身に付け、もし認知症だと診断されても、相談できる場所があることを覚えておくことが大切です。
■オレンジカフェ開催日
開催時間はどの場所も10時~11時30分。費用無料。申込み不要なので時間内にお越しください。
問合せ:鴻巣市認知症地域支援推進員
(【電話】596-2283)
■認知症予防啓発講演会
▽きこえと認知症について
~難聴対策から始める認知症予防~
聞こえづらさは、生活に支障をきたすだけでなく、認知症の危険因子にもなります。難聴対策と認知症予防について学んでみませんか。費用無料で申し込みも不要です。
※手話通訳あり
講師:木場由紀子(こばゆきこ)さん
言語聴覚士として埼玉県聴覚障害児支援センターで難聴児の指導や保護者支援に携わり、現在は難聴者の社会参加支援がライフワーク。
日時:2月7日(金)14時~15時30分(開場13時30分)
場所:クレアこうのす小ホール
対象:市内在住の65歳以上の方(住所のわかる本人確認書類を持参ください)
※付添人は対象以外でも1人まで可
定員:250人(先着順)
問合せ:介護保険課
【電話】(内線2672)
■若年性認知症本人のつどい
若年性認知症と診断を受けた後も、地域の中で活き活きと暮らす仲間との交流機会を支援します。不安・悩み・暮らしの工夫などを一緒に話してみませんか。申込みは前日までに電話で問合せ先。
日時:1月9日(木)10時~11時30分
場所:吹上生涯学習センター
問合せ:鴻巣市認知症地域支援推進員
(【電話】596-2283)
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