■コウノトリの鳴き声「クラッタリング」
コウノトリがどんな鳴き方をするかご存知でしょうか。コウノトリは、生まれたばかりの頃は「ギャーギャー」と鳴きますが、大人になると一切鳴くことはありません。ニワトリやハトのように特徴的な鳴き方をする鳥がいる一方で、コウノトリは成長していく段階で発声器官があまり発達しないとされており、うまく鳴くことができないのです。
そのかわり、コウノトリは「クラッタリング」という、くちばしを激しくたたき合わせて、カタカタと音を出す行動でコミュニケーションをとっています。求愛行動や威嚇表現などもクラッタリングによって行うため、クラッタリングは鳴き声と同じ役割を果たしています。鴻巣市で飼育している2羽も毎日カタカタカタカタと大きいくちばしをたたき合わせ音を鳴らし、お互いに色々なことを意思疎通しているようです。このカタカタという音は非常に大きく、距離でいうとおよそ200メートル先まで聞こえると言われています。コウノトリのように鳴かずにクラッタリングでコミュニケーションをとる生きものは他にもいて、コウノトリの仲間であるシュバシコウやペリカン目のハシビロコウも同じようにクラッタリングでコミュニケーションをとっています。
野生でコウノトリに似た鳥を見かけた際に、見た目でコウノトリかどうか判断が難しいときは、鳴き声を聞いて確認してみるのもいいかもしれないですね。
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