今回紹介するのは
有限会社スタイル・kei
所在地:鴻巣市榎戸413
今回訪問したのは、兄の坂本社長と妹の菅野代表取締役が経営している『有限会社スタイル・kei』。婦人服縫製会社で、世界的ブランドであるイッセイ・ミヤケなどの縫製を手掛けています。
今春のパリコレに向け準備を進める中、4人の方にお話を伺いました。半世紀以上にわたって着実に成長してきた企業の秘密を探ります。
■人の手による確かな技術
「父である先代が、榎戸で縫製業を興したのは58年前。まだ一家に一台ミシンがある時代でした。小さな一間からはじめ、自宅の風呂桶で衣服を染色したと聞いています」。
国内の縫製業の多くは、安価で大量生産ができる海外に流れ、市内に多くあったアパレル縫製会社も、今はスタイル・keiのみ。
苦境の時期もありましたが、海外需要やインバウンド需要を受け成長を続けています。いつの時代も、会社を支えてきたのは『人の手による確かな技術』でした。
特にブランド生地は特殊な素材が多いため機械化が難しく、手作業でのしつけや縫製が欠かせないといいます。
正確で丁寧な手作業がMADE IN JAPANクオリティを維持し、一流ブランドの信頼を得て、メーカーの指定工場となっています。
■失敗を恐れず挑戦して欲しい
「ブランドの高価で特殊な生地を扱うときは、かなり緊張しませんか」との質問に、入社1年目の田島さんは「ミスしたらどうしようと、かなり緊張します」と答えます。すると、坂本社長は「それはリスクのうちです。若い人に限らず、ベテランでも、人がやることなので、縫い・裁断誤りもあるし、機械のトラブルもあります。間違えてはだめとは言いません。お任せしているので、安心してやってもらいたい。ただ、同じ誤ちを繰り返さないでね、ということ。私もいまだに間違えますよ」と笑いとばします。
ここには、若い人が失敗を恐れずに仕事に挑戦できる環境がありました。
■働きやすい職場環境
高校で服飾の学科を専攻していた倉片さんが働き始めたのは、お子さんが小学校低学年のとき。「学校行事があるときは、仕事を中抜けさせてもらうなど、融通を利かせてもらえました」。
仕事のやりがいについて聞かれると「大量の作業を納期までに終えたときに得られる達成感と安堵感ですね」と話してくれました。
■オールアイテムをつくりたい
昨年服飾系の学校を卒業して就職した田島さん。男性従業員4人のうちの1人で「高校生の頃から服に興味があり、ブランド名を検索して、どこの会社で縫製しているかを調べて面接にこぎつけました。入ったばかりなので、肩など部分的なパーツしかやっていないので、オールアイテムできるようになりたい」と将来の夢を教えてくれました。
◆市長コメント
縫製業を就職先に希望する若者が増えてきているとのことで、今後は、長年蓄積した従業員の技術とノウハウを受け継いでいくことが課題だとお話されていました。
卓越した技術を次の世代に伝えるMADE IN JAPANクオリティは鴻巣市の誇りです。鴻巣の地から世界へと発信し続けて欲しいです。
問合せ:秘書課
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