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養護教諭による いじめ対策プログラム実践中

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埼玉県鶴ヶ島市

—市では、未来を創り出す力を育む教育を推進しています—
いじめは、学校における最重要課題のひとつであり、解決のためには担任が一人で抱え込むのではなく、学校が一丸となって組織的に対応することが大切です。
鶴ヶ島市では、全小・中学校で、いじめ根絶を目標に、主に小学4年生と中学1年生を対象とした「いじめ対策プログラム」の授業を実践しています。

いじめは、子ども自身が言葉で言えなくても身体症状として表れることが多くあります。そこで、全校の子どもに関わり、心や身体の健康問題に対する専門性の高い養護の先生が中心となり、この授業を行っています。
「いじめの輪」(本紙P3参照)について考える授業では、いじめを止めたり、なくしたりするためには、「助ける子」を増やすことや、一人で止められなければ友達や大人の力を借りることが大切であることに気づかせます。
また、「助ける子」を増やすためにはどうすればよいか、子どもたちが主体的に考えることで、実際の行動につながっています。
令和5年度は、市内小・中学校の養護の先生を対象に、本プログラムの授業公開・研修を行いました。
鶴ヶ島市では、引き続き、「いじめは絶対に許されない」という強い意識のもと、すべての子どもが安心して学校生活を送ることができるよう、いじめ根絶に向けた指導・支援を行っていきます。

5月10日、鶴ヶ島第一小学校4年1組で「養護教諭によるいじめ対策プログラム」の公開授業が実施されました。担任教諭と養護教諭が教壇に立ち、子どもたちと一緒にいじめについて考えました。
子どもたちは、タブレット端末を使い、自分の考えや意見を発表したり、友達の意見に耳を傾けたり、真剣な表情で授業を受けました。
また、この日は、市内小・中学校の養護教諭10人が出席。公開授業を参観したのち、情報交換を行いました。

◇いじめ対策プログラムを実践して…
・鶴ヶ島第一小学校 井上(いのうえ)教諭
周りで見ている子も「やりたくないけどやっていることもあると思う」「本当は助けたいと思っている」など、様々な気づきがあり、人の気持ちに寄り添い、共感することができました。きっとこれからの学校生活でも友達を大切にしてくれると思います。

・鶴ヶ島第一小学校 上村(かみむら)養護教諭
子どもたちにとって保健室が「心の健康を守る場所」「何かあったらいつでも相談できる場所」であることを知ってもらったと思います。これからも子どもたちが、悩みや不安を一人で抱え込むことがないように担任と連携し、いじめ防止に取り組んでいきます。

・新町小学校 本間(ほんま)養護教諭
いじめがいけないことはみんな知っています。しかし、実際に授業を進めていくと、「そんなこともいじめになるの?」「相手がいやだと感じたら、すべていじめなんだ」と子どもたちから気づきの声が聞こえてきます。「いじめを見つけたらどうするか」について具体的に考えている児童が多く、いじめを許さない雰囲気づくりが、いじめ対策につながっていくと感じています。

・西中学校 邨井(むらい)養護教諭
中学校では、子どもたちから「再確認できて良かった」という声が上がります。本プログラムにおいて、学級担任と養護教諭のTT(※複数の先生で授業を行うこと)は効果的です。本校は、学級担任が考案した「+α」の取組「いじめ撲滅の木」という、自分なりの宣言が書かれたものを廊下に常掲しています。特に、子どもたちは「相談する」が印象的だったとのことで、声を掛け合う様子も見られるようになりました。

〈いじめの輪〉
◎それぞれの立場の気持ちを考えよう
◎いじめられている子を助ける方法を考えよう

・なぜ、いじめるのか?
・助ける子の気持ちは、どんな気持ちか?
・なぜ、いっしょにいじめるのか?なぜ、したがうのか?
・なぜ、見ているだけなのか?

「助ける」子がたくさん増えると、いじめが少なくなります。

〈学習した子どもの声〉
・いじめられている子には「大丈夫だよ」と声をかけ、「あなたは一人だけじゃないよ」と思ってもらえるようにして、少しでも辛くないようにしたいです。
・怖いけれど、いじめられている子がいたら勇気を出して助けてあげたいと思いました。私は、いじめを受けたら我慢をしないで、みんなに相談して、いじめをなくしていきたいです。
・いじめは、あまり人には言えなくて、自分だけで悩んでしまうものだと思いました。また、いじめているつもりはなくても、相手がいじめだと思えばいじめであることが分かりました。
・いじめはすごい怖いものだと思いました。みんなでいじめをなくさないといけないので、いじめを受けている子がいたら、みんなで助けたいです。

(出展)
・「養護教諭のためのいじめ対策プログラムー保健室での「気づき」から「相談」「授業」へー」
・日本学校精神保健研究会「いじめ対策プログラム開発」チーム

〇教室では話せないことでも、保健室なら話すことができるかもしれません!
〇保健室の先生にも相談できます!

問合先:学校教育課指導担当

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