■共食の大切さ[健康応援団No.228]
皆さんは食事をするとき、誰かと一緒にしていますか?
食卓を囲んで、共に食べることを「共食」と言います。共食をすることや孤食(ひとり食べ)をしないことで、朝の疲労感や体の不調がなく健康に関する自己評価が高い、ストレスがなく心の健康状態がよいといった報告がされています。また孤食が多い高齢者はうつの傾向が多いとの報告もあります。
よく「子どもの食育」と言いますが、家族が一緒に食卓を囲むことが何よりの「食育」です。子どもは大人と一緒に食べることで、はしやスプーンの持ち方を学び、食事中のマナーを自然と身に付けます。食卓でいろいろな場面に遭遇し、相手のことを思いやるようになります。
大人同士でも食事中の会話から、普段と違う様子がわかれば相手の発する信号に気づき、自然と声をかけて休養を取らせたり、話を聞いたり、食事の内容を変えたりして体調を気遣うことができます。
また、自分一人だけだとついダラダラと過ごし、お腹がすいた時間に適当に食べればいいとなりがちですが、一緒に食事をする人がいれば規則正しい食生活になり、生活リズムもよくなります。
食事は1日1回でもできるだけ誰かと一緒に、それがむずかしいときは近所の顔なじみのお店でもいいかもしれません。誰かと楽しく食事をすることが心の栄養になります。
女子栄養大学栄養クリニック管理栄養士 川本尚子(かわもとなおこ)
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