特別展「福沢諭吉とお札に選ばれた偉人達」開催記念のリレー企画。連載の「福翁辞典」と「学芸員の一押し!」がコラボし、展示資料を4号連続で紹介します。
■[第二十八回]福澤諭吉ウェーランド経済書講述図
慶應4年5月15日、戊辰戦争(ぼしんせんそう)の最中に上野で彰義隊(しょうぎたい)と新政府軍との戦闘が起きました。江戸市中は混乱していましたが、芝新銭座(しばしんせんざ)の慶應義塾で福澤諭吉はアメリカ人の経済学者・ウェーランドが書いた経済書の講義を続けました。社会にいかなる変動があろうとも学問を続けるべきという福澤の精神は慶應義塾に引き継がれ、現在では5月15日が記念日とされています。このウェーランドの経済学は、明治期日本の経済学の中でも重要なもので、慶應義塾の講義はのちに小幡篤次郎が受け継ぎ、中津市学校でも学ばれました。小幡記念図書館で所蔵する小幡蔵書や中津市学校旧蔵書には、ウェーランドの経済書や修身論など貴重な洋書も含まれています。この絵画は「飛鳥(あすか)の春の額田王(ぬかたのおおきみ)」などで知られる安田(やすだ)靫彦(ゆきひこ)によるもの。塾生の前で洋書を片手に講義する福澤の後ろには砲撃による煙が描かれています。
※詳しくは本紙をご覧ください。
問合先:新中津市学校
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