このコーナーでは、学芸員が一押しの文化財や絵画資料などを紹介します。
■中村研一「春の丘」
「春の丘」は、福岡県出身の洋画家・中村研一(1895-1967)が描いた油彩画です。丘の上から俯瞰(ふかん)する構図で春の情景が描かれています。実はこの作品、市が所蔵する西洋画のなかでもっとも古い作品のひとつです。本作が制作されたのは、今から100年以上も前の1920(大正9)年。中村研一が東京美術学校を卒業した年に描かれました。その後中村は、6年ほどフランス・パリに留学。帰国後は官展系の展覧会を中心に作品を発表し、近代洋画壇の重鎮として活躍しました。若い画家の才能の煌めきとのちの活躍を予感させる1枚です。
問合せ:中津市歴史博物館
【電話】23-8615
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