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福翁辞典

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大分県中津市

■第三十五回 福澤三之助
福澤三之助は諭吉の兄で、百助の長男として、文政9年に大坂で生まれました。天保7年、父の死去に伴い家督を相続しましたが、わずか11歳であったため、勤めは免除されました。三之助は父の才能をついだ漢学者で、書画や詩に優れ、また中津の学者・野本白巌を師として、帆足万里流の数学も深めました。諭吉は書などについて、兄の方が優れていたと語っています。天保9年に御用書取次(ごようしょとりつぎ)を命じられ、その後は元締方勘定仮役(もとじめかたかんじょうかりやく)などを勤めました。諭吉と兄のエピソードは「福翁自伝」にも多く描かれますが、藩主・奥平氏の名前が書かれた紙を踏んで兄に叱られた話からは、自由闊達な諭吉と真面目で勤勉な兄の性格の違いを読み取ることができます。三之助は親類である藤本家の娘と結婚し、娘・いちが生まれましたが、大坂勤務の中でリウマチにかかり、安政3年9月に中津での療養の甲斐なく死去しました。
福澤記念館所蔵の諭吉の書簡には、母兄姉と暮らした日々をしのぶ諭吉の想いが書かれています。

問合せ:新中津市学校
【電話】26-1459

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