■誰ひとりも とり残さない社会・地域の実現をめざして
みなさんは「更生保護」をご存じですか?更生保護とは、罪を犯した人や非行がある青少年が罪をつぐない、社会復帰できるようにサポートをして、再び犯罪や非行に陥るのを防ぐ取組みです。
日本の更生保護制度は、社会復帰を促す保護司会や更生保護女性会などのボランティア団体、社会復帰のために一時的に宿泊場所などを提供する更生保護施設などで成り立っています。
◇市内の保護司会
現在、市内には58人の保護司がいて、罪を犯した人や非行がある青少年の更生のサポートや犯罪・非行防止の啓発に取り組んでいます。
保護司会と更生保護女性会が主催する「社会を明るくする運動」では、7月の強調月間に市内各所で街頭キャンペーンを行い、犯罪・非行防止や地域での受け入れの理解をお願いしています。
また、子どもたちへの啓発として、毎年、市内の小・中学生から「社会を明るくする運動」作文を募集して、コンテストを行っています。
◇更生保護の創始者「川村矯一郎」(中津市出身)
中津市の偉人に「更生保護の創始者」と呼ばれる川村矯一郎(かわむらきょういちろう)がいます。川村は、1852年に中津で生まれ明治政府に反抗し、3回刑務所などに投獄されます。川村は、不衛生で食べ物も粗末で悲惨な刑務所の生活を体験したことから出所後、刑務所の改善運動に力を注ぎました。
後に刑務所長になった川村は、受刑者の更生を支援する出獄人保護事業を始めました。これが現在の更生保護の基礎になっています。
川村矯一郎顕彰会(中津保護区保護司会内)では、川村矯一郎の功績を広く世間に知ってもらうために劇団を結成し、「川村矯一郎の生涯」という演題で公演活動をしています。
■市内で活動する更生保護ボランティア団体
・保護司会
・中津地区更生保護女性会
・下毛地区更生保護女性会
(令和6年3月1日現在)
・協力雇用会社 20社
・中津BBS会 12人
※中津BBS会とは、非行少年少女の更生を支援する団体です。
■更生保護ボランティア団体の活動紹介
◇中津地区更生保護女性会
結成61年目を迎えます。中津少年学院への活動もコロナ禍のため制限されていますが、昨年は運動会への招待を受け、久しぶりに学院生の様子を見ることができました。熱心に取組む生徒たちに大きな拍手を何度も送り、一緒に競技ができないまでもひたむきな姿に心を打たれました。本来なら、作業着のネーム付けや誕生日会などにも参加しています。安全安心の社会づくりのために何か役に立ちたいと思っている人、各校区に会員がいるので、お尋ねください。一緒に活動をしましょう。
◇下毛地区更生保護女性会
内閣総理大臣と大分県知事からの「社会を明るくする運動」メッセージを保護司から支所長へと手渡す「メッセージ伝達式」を執り行い、小・中学校、福祉施設などに保護司と共に社明ティッシュと社明ポスターを配りました。10月には、中津少年学院の運動会に参加し、少年たちが一生懸命に走る姿に感動し、私たちも一生懸命に声援と拍手を送りました。
私たち下毛地区更生保護女性会は、子どもたちを非行や犯罪から守り、心豊かでたくましい子どもに育ってほしいと願って活動を続けています。私たち一人ひとりの力は小さいですが力を合わせて、地域のみなさんと連携して、「安全安心な明るいまちづくり」をめざしてこれからも活動していきたいと思います。
◇社会貢献活動
保護司会、BBS会、更生保護女性会からなる更生保護ボランティア団体は、毎年サツマイモ作りを行い、収穫したサツマイモを中津少年学院や福祉施設などに寄贈しています。今年度は、総勢22人で収穫を行い、7施設に寄贈し大変喜ばれました。
◇中津地区「社会を明るくする運動」作文コンテスト表彰式
令和5年12月9日、令和5年度中津地区「社会を明るくする運動」作文コンテスト表彰式が教育福祉センターで行われました。市内の小・中学校から応募のあった170編から最優秀賞2編、優秀賞4編、奨励賞8編、川村矯一郎賞(特別賞)1編が表彰されました。
※詳しくは本紙をご覧ください。
問合せ:更生保護サポートセンター(〒871-0004 中津市大字上如水103番地 中津保護区保護司会事務局)
【電話・FAX】64-6440
※平日9時〜16時、土・日・祝日は休館
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