日野町長のこれからの4年間にかける“意気込み”や“町政への思い”を町長コラム「とびらをあけて」の特別編でお届けします。
九重町長としての3期目の就任にあたり、町の未来を築くため、住民の皆さんと一緒に歩んでいく決意をお伝えしたいと思います。
現在、急速な人口減少や高齢化など、私たちの町は多くの課題に直面しています。しかし、この厳しい現実に対して、私たちは決して悲観することなく、住民一人ひとりの幸福を実現し、町をより魅力的な場所へと変えていく必要があります。
私は、今回の就任にあたり、稲盛和夫さん(注1)が説かれた「利他の心」、つまり他の人のために尽くすことの大切さを深く胸に刻んでいます。自分のことよりも、他者や地域、町全体の幸せや成長を優先する、その心を住民の皆さんと共有していくことが、九重町を次のステージへと導く原動力となることを信じています。
住民の皆さんが誇りを持って暮らせる町を作り上げるために、「守り」から「攻め」へと転換し、新しい時代にふさわしいまちづくりに取り組んでいきます。
これまで私は、令和2年7月豪雨からの復旧や新型コロナウイルスへの対応など、住民の皆さんの生活を「守る」ことを最優先に町政をすすめてきました。
これからも、住民の皆さんの生活を「守る」ことはもちろん大事です。今後はそれに加え、「攻め」の姿勢による、より積極的な施策を展開します。すでに、新しい「まち・ひと・しごと創生総合戦略策定」や、「旧野上中学校跡地の有効活用プロジェクト」、「デジタル化の推進」などに取り掛かっています。
ただ、その「攻め」の施策が見た目だけのプロジェクトに留まってはいけないと考えています。外から見た派手さを追求するのではなく、住民の皆さんの幸せを第一に考えること。それが私の目指すまちづくりの根幹です。最近、「幸福度」「ウェルビーイング」という言葉が改めて注目を集めています。「ウェルビーイング」は、心身の健康だけでなく、社会的なつながり、そして人生の目的や充実感に支えられた生活の質の向上を意味します。
この「ウェルビーイング」を実現するため、福祉の拡充を進めるとともに、子育て世代の支援や支え合いの地域づくりを強化し、すべての世代が安心して暮らせる町を目指します。
産業と地域振興についても、引き続き注力します。農業においては、地域の特徴を活かし、さらなる発展に向けた取り組みを進めてまいります。観光では、地域の観光資源を最大限に活かし、町全体の魅力を高めていく取り組みを進めます。
災害に強いまちづくりも重要なテーマです。自然災害に備えるための防災対策を強化し、住民同士で支え合う体制を構築することで、安心して暮らせる環境を整えていきます。
こうした取り組みは、健全な財政基盤があってこそ実現できるものです。今後も引き続き、効率的かつ効果的な事業展開を図りつつ、持続可能な行財政運営を目指してまいります。
最後に、あらためて強調したいのは、私は、住民の皆さんの幸せを最優先に考えながら、常に挑戦し、前向きに行動していくということです。住民の皆さんには日々の暮らしの中で感じたことを、引き続きお聞かせいただきたいと願っています。
皆さんの力が、九重町をより良くする原動力です。これからも、一緒に未来へ向けた大きな一歩を踏み出し、持続可能なまちづくりを実現しましょう。
引き続きのご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げ、就任のあいさつとします。
*具体的施策については、「令和7年度施政方針」などでご提示します(広報4月号掲載予定)
(注1)稲盛和夫
日本の実業家。京セラ・第二電電(現・KDDI)創業者。日本航空名誉会長。若手経営者の育成のため、「盛和塾」を設立。経営および経営者のあり方について説いてきた。「生き方」や「稲盛和夫の実学」など著書多数。2022年没。
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