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人権コラム 心、豊かに

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大分県日田市

■いつか自分も通る道
高齢化は世界中で急速に進み、これまで高齢化が進行してきた先進地域はもとより、開発途上地域でも、今後同じように進展すると見込まれています。
日本の高齢化率は29%とモナコに次いで世界で2番目に高く、令和19年には、国民の3人に1人が65歳以上の高齢者になると推計されています。「高齢化=健康で長生きの証」と捉えれば、この流れは歓迎されるはずですが、歓迎とはほど遠い問題が広がり、支える側の意識が大きく問われています。
国連は、10月1日を「国際高齢者デー」と定め、高齢者の権利、高齢者差別や高齢者虐待の撤廃などに対する意識の高まりを求めています。政府広報が今年の5月に公表した調査の取りまとめによると、「悪徳商法、特殊詐欺の被害」、「劣悪な処遇や虐待」などが、「高齢者に関する人権問題」として広く認識されていることが判明しました。
悪徳商法等の被害は、テレビや自治体の広報による呼び掛け、更には被害の現場となり得る銀行のATMなどあらゆるところで、被害を防ぐ手段を講じていますが、大きな効果は表れていません。「高齢者なら簡単に騙せる」という、人権尊重のかけらもない意識によって、大切な財産を奪い取ってしまう卑劣な行為は、後を絶ちません。
また、高齢者に対する虐待(身体的、心理的、経済的、性的)は、家庭や介護施設などの「現場」で起こっており、深刻さを増しています。これらの背景には、家族の極度な疲弊、被害を受ける側が認知症などによって意思を示せない、などといった実情があり、虐待が表面化しにくいという特徴があります。
これまで長く社会を支えてきた高齢者に敬意を示し、その存在と人権を尊重する意識は、脈々と受け継いでいかなければならないものです。そして、その意識は「いつか自分も通る道」を通りやすくしてくれるはずです。

問合せ:人権啓発センター
【電話】22-8017(市役所別館1階)

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