「急激な進展」という表現が多用されるインタ-ネット。普及率(過去1年間にインターネットを1度でも利用したことがある人の率)は、この20年で急増しており(令和4年8月末時点が84.9%、平成12年当時は37.1%)、生活に必要なインフラ的なものとして、電気や水道と並び「無くてはならないもの」に位置付けされています。
この進展はさらに加速していくと見込まれており、常に膨大な情報が要不要を問わず飛び交う社会において、インターネットの影響を受けずに生活することは、ほぼ不可能な時代になりました。
情報は、「踊らされず」、「先入観や偏見を持たず」、「特定の考えに凝り固まらず」に対応すれば、“良い”効果をもたらすこともあります。例えば、サイトの閲覧や検索ボタンを押すなどの、日常の何気ない行為による「閲覧・検索の履歴」や、ネット上で買い物をする「購入の履歴」、さらには「いいね」の数などを分析することで、ユーザーの属性、志向、性格等が予測できるといった研究結果が報告されています。そして、これらの集められた個人データはAIなどによって分析され、政治、経済、社会の前進に大きく寄与しています。
その一方で、激変する情報環境は、人権(差別)の分野に“良くない”変化をもたらしています。差別意識と差別行為に対するハードルが低くなり、攻撃的・扇動的な差別表現(書き込み)が目立つなど、ネット上の差別事件は爆発的に増加しています。そして、このような書き込みも含め、日常的に受け取るネット情報には、その真偽が精査されておらず、フェイク(虚偽)とファクト(事実)の区別が極めて難しいものが多く存在します。
ネットに限らず、全ての情報を正しく活用し、社会の貴重な財産とするには、自分自身のバイアス(偏見)の再認識をはじめ、差別意識や偏見と密接に結び付くフェイク情報を見抜く力を養うことです。そのためには、情報や意見をできるだけ集めた比較を心掛けることと、「冷静な判断」を忘れないことが大切ではないでしょうか。
問合せ:人権啓発センター
【電話】22-8017(市役所別館1階)
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