市長コラム 坂の上の雲を探して92

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新型コロナウイルス感染症も、法律上の位置付けが5類へと移行し、人の動きも活発化してきています。5月に開催された「日田川開き観光祭」では、コロナ禍前を上回る12万4千人の人出を記録するなど、屋外でのイベントは以前にも増して賑やかさを取り戻しつつあります。
振り返ればこの3年間、私たちの暮らし方も大きく「変化」してきました。特に大きな変化を強いられたのが「密を避ける」ことではないでしょうか。仕事や学業、交流の場面など、コミュニケーションを必要とするあらゆる場面で変化を求められ、今もその影響は色濃く残っています。3年間で様変わりしたライフスタイルやリズムに少しずつ慣れていかなければなりません。
さて、ロシアによるウクライナ侵攻は、エネルギー問題や物価高騰を引き起こすなど、社会経済に急激な「変化」をもたらしています。この対応がままならないまま、私たちの暮らしの先行きは不安に駆られます。
また、来年には働き方改革の一つとして、2024年問題と言われる、トラック運転手の時間外労働の規制が強化されます。これは、運転業務の労働環境の是正を図るものであり、これによって流通時間の遅滞や商品への価格転嫁など消費者の負担が増えることが考えられ、国民全体の理解が必要なところです。
さらに、「子育て支援事業」もスタートします。その財源については、年内には決定する方針ですが、「つなぎ国債」か「社会保険料への上乗せ」か、はたまた「消費税の増税」か。様々な財源案が議論されていますが、いずれにしても私たちの国民の負担無しには考えられないことから、今後の動向に注視していきます。子供は国の宝であり、時代をつなぐためにも、真摯な覚悟で向き合う必要があります。これからは、国も地方も困難な舵取りが求められます。
政治は経済と言われます。「経世済民(けいせいさいみん)」この意味は、世の中をよく治めて人々を苦しみから救うこと。また、そうした政治を言います。政治に携わる者として、この言葉を深く心に刻み、時代に向き合っていこうと思います。