■「日本語」で大丈夫
1995(平成7)年に発生した阪神・淡路大震災のとき、日本で生活・滞在する多くの外国人が、日本語または英語を十分に理解できず、必要な情報が不足し、適切な行動につながらなかったというケースがありました。
このことを教訓とし、日本語が不慣れな外国人に、災害発生時、素早く的確に情報を伝えることを目的に考案されたのが「やさしい日本語」です。当初は、災害時の情報伝達手段として使われていましたが、今では、平時の活用においても研究され、行政情報や毎日のニュース発信など、全国の様々な分野で広がっています。
ある地方都市で暮らす外国人を対象とした調査では、「やさしい日本語」であれば理解できるという人は6割を超えることが分かりました。一方で、英語力を問う質問では、「英語ができる」と回答した外国人は、会話力で2割弱、読解力では2割強に留まり、英語に翻訳すれば、多くの外国人に伝わるといった考えは当てはまらないことが分かっています。
日本では、地震や風水害などは「いつでも起こりうる」という“意識”の備えを呼び掛けていますが、国によっては起こる災害が違い、また災害が起きたときの不安要素もそれぞれです。例えば、一定の安全を確保するために「避難所」を活用しますが、避難所が無料で誰でも入れる場所であることを知らない人もいるなど、日本人の感覚では気付かないこともあります。
2023(令和5)年11月30日現在、日田市で生活をする外国人は564人。「やさしい日本語で対応してくれる、やさしい日本人」がいることを多くの外国人が知っているはずです。「助け合いは必要だが、言葉が伝わらないだろう」というマイナスの先入観を持たず、簡単な言葉や短い文でゆっくり話し掛けてみてください。
問合せ:人権啓発センター
【電話】22-8017(市役所別館1階)
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