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人権コラム 心、豊かに

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大分県日田市

■見過ごせない「内輪の問題」
DV(ドメスティック・バイオレンス)に関する専門機関への相談件数は、2020年度をピークに高水準で推移しています。2023年度の内閣府調査では、結婚経験のある人の約4人に1人がDV被害を受けており、その大半は「女性」です。
DVに明確な定義はありませんが、日本では「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった人から振るわれる暴力」という意味で多く使用されます。
DVには、身体的暴力(殴る、蹴る)、精神的暴力(無視する)、経済的暴力(生活費を渡さない)、さらには子どもを巻き込んだ暴力などがあり、「夫が妻に暴力を振るうのはある程度は仕方がない」とする古い社会通念や「妻に収入がない」という男女間の経済的格差など、当事者の問題として片付けられない構造的な問題が大きく関係しています。
その上で、「多少の度を越えた夫婦喧嘩」、「他人が関与すべきではない内輪の問題」などとする周囲の軽視や遠慮によって、問題の長期化と被害を受ける側の孤立を招いています。
DVの加害者は暴力によって相手をコントロールし、支配しようとします。被害者はその暴力によって、その後の人生において身体にも心にも大きな傷を負ってしまいます。また家庭内で起こることが多い配偶者等からの暴力は、子どもにも深刻な影響を与え、時に「暴力の世代間連鎖」をも生み出してしまいます。
「自分さえ我慢すればいい」、「自分が悪いから暴力を振るわれる」という自己否定に、日本特有の「家庭は私的領域」という考えがプラスされ深刻化するDVは、被害者のみの努力や行動では容易に解決できる問題ではありません。周囲が当事者のSOSに気付き、一歩踏み込んだ対応をとることが、当事者を救う大きな原動力になるのではないでしょうか。

問合せ:人権啓発センター
【電話】22-8017(市役所別館1階)

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