■つながる思い
素敵だなあと思って買った品物。その品物の製造から販売までの過程で、「人権が侵害」されていたら、どう思いますか。
セクハラやパワハラなど、企業活動において発生する様々な「人権問題」。こうした問題への対応は、時として企業の価値に大きな影響を与えます。2020年、政府が「『ビジネスと人権』に関する行動計画(2020-2025)」を策定。その後の2022年には、企業における人権尊重の取組を後押しするため、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」を整備しています。
サプライチェーンとは、商品や製品が消費者の手元に届くまでの(1)材料調達(2)製造(3)輸送・配送(4)販売(5)消費といった一連の流れのことです。この流れの中で、実際に起こった(または起こり得る)人権問題として、(1)材料生産現場の児童労働のリスク(2)製造現場における外国人労働者への差別(3)トラック運転手の長時間労働(4)販売店の労働環境の悪化、商品広告の差別的表現(5)消費者の健康や安全に対する配慮不足などが挙げられます。
企業はこの流れを重視し、自社事業に関わる全ての労働者(正社員だけでなく、契約社員やアルバイト・パート社員等を含む)の人権はもちろんのこと、取引先の労働者、さらには顧客・消費者までの全ての人権を尊重しなければなりません。自社外で起こる人権問題を把握し、それを解決することは容易ではありませんが、自社の社員が顧客・消費者や取引先の社員に対して差別的な対応を行う、また工場建設のために住民に立ち退きを強制するなどの問題が発生しないよう、「自社における人権啓発と教育」を徹底し、それを「連鎖」させる行動が求められています。
人権を尊重する社会の構築には、行政や地域における行動に加え、企業の実践力が不可欠です。企業が持つ「価値」を知り、その価値を応援していくことで、社会の好循環が生まれるはずです。
問合せ:人権啓発センター
【電話】22-8017(市役所別館1階)
<この記事についてアンケートにご協力ください。>