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まちの宝もの 文化財を未来につなぐ(1)

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大分県日田市

■国が認定 文化財保存活用地域計画
市では、指定の有無、有形・無形を問わず、地域に残る豊かな自然、ふるさとの歴史と伝統に育まれた全ての文化財を対象に、その調査・保存に努めています。
さらに、教育や観光など様々な分野と連携し、地域総がかりでまちの宝ものである文化財を後世に伝えていくために、令和7(2025)年から令和17(2035)年を計画期間とする「日田市文化財保存活用地域計画」を作成し、令和6(2024)年12月20日に文化庁長官の認定を受けました。

■文化財保存活用地域計画とは
市町村における文化財の保存と活用に関する総合的な法定計画です。市町村の総合計画の下に体系づけられ、文化財行政の中・長期の方向性を示すマスタープランと、短期に実施する具体的な事業を記載するアクションプラン、この両方の役割を担います。地域の歴史や文化にまつわる多様な文化財を、総合的かつ一体的に保存・活用することによって、地域の特徴を活かした地域振興に資すると共に、確実な文化財の継承につなげることができます。
この計画を作成・実施することによって、住民・民間団体・文化財部局・庁内関係部局などが地域総がかりで文化財を守り、活かし、伝える体制の構築を図って、文化財の存続につなげていくことが期待されています。

■日田市の文化財の件数(国・県・市指定など)
日田市の文化財の件数は、令和6(2024)年6月1日時点で185件です。文化財の種別ごとにみると、美術工芸品が61件と最も多く、建造物49件、遺跡(史跡)29件と続きます。

■日田市の歴史文化の特性
本市には、美しく豊かな自然の恵みを受け、地域固有の歴史と風土に恵まれて築き上げてきた文化的な環境の中で、有形無形の文化財が今日まで数多く残されており、その特徴を大きく捉えると、4つに分類されます。

1.阿蘇・くじゅう山系や英彦山系の美しい山々と清流、豊かな自然が育む歴史文化
本市を囲む美しい山々から流れ出る清流と火山活動で生み出された土や鉱床(こうしょう)は、林業や焼き物、金の産出など日田の産業を支えました。特に江戸時代に始まったスギの植林は、造林地域が拡大し、明治期以降、下駄、漆器、家具などの木工業が盛んとなり、日田の代表的な産業となりました。

2.三隈川との共生で育まれた歴史文化
本市を流れる大小の河川は、盆地内で合流し、三隈川となって有明海へと流れます。人々は河川流域の開発や水路工事を行うことで農業生産力を向上させたほか、河川を利用した物資輸送も盛んに行われました。川と共に暮らしを営んできた日田の人々はその恩恵を受ける一方で、古くより河川の氾濫による水害にも数多く見舞われてきました。

3.人・モノが織りなす北部九州の交通の要に育まれた歴史文化
本市は北部九州の中心に位置していることから、三隈川をはじめとする河川や陸路を通じて各地との交流が盛んに行われてきました。これらの交流によって日田の地にもたらされた文物(ぶんぶつ)は土器や石器だけでなく、竈(かまど)や鉄器作り、装飾古墳、陶磁器や銭など多種多様です。

4.天領日田の商人が育んだ歴史文化
江戸時代に幕府の直轄地天領となった日田は、代官所が置かれ、幕府の九州支配の中心となりました。
日田の商人は幕府の公金を扱うことで、九州の金融経済の中心となると共に、経済的な豊かさを背景に俳諧(はいかい)などの文化的な活動が盛んになりました。

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