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自治体の皆さまへ

人権コラム 気づき NO.41

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大分県杵築市

■「ハンセン病」
「ハンセン病」についてご存知でしょうか?
「ハンセン病」とは、「らい菌」が主に神経を犯す慢性の感染症です。1873年に「らい菌」を発見したノルウェーのアルマウェル・ハンセン医師の名前をとり、ハンセン病と呼ばれます。現在では、治療法が分かり確実に治る病気になりました。
しかし、外見と感染に対する恐れから、患者の方々は何世紀にもわたり差別と偏見を受けてきました。罹患した人々は遠く離れた島や隔離された場所に追いやられ、社会から疎外された状態で生涯を過ごすことを余儀なくされたのです。
古くは「日本書紀」に記録が残されていますが、歴史上の人物では戦国武将の大谷吉継の逸話や家族に迷惑がかからないように「放浪らい」と呼ばれた方も数多くいたそうです。
明治に入り1907年の法律「癩(らい)予防ニ関スル件」の制定以来、1996年の「らい予防法」の廃止まで実に90年近く強行された国の誤った強制隔離政策のもとでご本人のみならず、ご家族までもが人権を根こそぎ侵害されてきました。
忘れることで悲しみや苦しみに区切りをつけられる一方、同じ過ちをくり返すかもしれないという脆弱性もあります。
目には見えないものに対する恐怖から来る差別には共通点があります。
今こそ人類は試されているのかもしれません。この4年もの間、私たちは新型コロナウィルス感染症(COVID-19)という新しい「疫病」のパンデミックを経験し翻弄され続けてきたからです。
6月22日は、らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日です。2001年のこの日、「ハンセン病補償法」が公布、施行されました。
また、今年は東京都東村山市「国立ハンセン病資料館」の前身である、「高松宮記念ハンセン病資料館」の創立30周年にもあたります。
この機会にハンセン病問題を見つめなおし、複合差別への関心をお持ちいただければ幸いです。
〔社会教育課、人権啓発・部落差別解消推進課、隣保館〕

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