文字サイズ
自治体の皆さまへ

山香病院だより vol.182「蜂刺傷について」

27/44

大分県杵築市

■「蜂刺傷について」
内科 熊谷 純之介(くまたに じゅんのすけ)

今年度で山香病院に赴任して2年目となります内科の熊谷純之介です。
時の流れは早いもので、初夏を迎え、これから暖かくなる季節がやってきます。山香は緑豊かな山間の町で自然に恵まれています。私はこの自然が大好きです。しかし、季節によりこの自然が住民を悩ませることもあります。そう、もうすぐ山香は蜂の季節です。山香病院の夏の救急外来は蜂刺傷の患者さんであふれかえることもあります。日本では蜂刺傷は8月をピークに蜂の活動期の6月から9月に集中しています。
今回は蜂刺傷後の対応、刺されないための工夫、蜂と遭遇した時の行動についてお話させていただきます。
まず蜂刺傷後の対応として大事な点が2点あります。
(1)自らで蜂の針を除去するのではなく、病院で処置してもらってください。うまく針が抜けないことや、根元から抜けなければ毒袋から毒が放出されることがあるからです。
(2)蜂刺傷後に全身に広がる皮膚症状や息苦しさを感じる場合はなるべく早く受診されてください。蜂刺傷後30分以内にアドレナリンの投与を受ければ死亡例はなかったという報告があります。日本では蜂毒アレルギーによるアナフィラキシーショックにより毎年30人前後の人が死亡しています。死亡回避は、症状出現時にいかに早くアドレナリンの投与が可能であるか否かということに依存していると言っても過言ではありません。
次に刺されないための工夫として推奨されていることは以下の通りです。蜂刺傷を回避するためには、屋外での作業や山歩きをする際は長袖、長ズボン、手袋などを着用し、肌の露出を避けることが有効です。甘い匂いや黒い色に敏感に反応する性質があるため、香水や整髪料、黒い色の衣類は避けることも有効です。
最後に蜂と遭遇したら推奨される行動は以下の通りです。
蜂が飛び回っている場合は、蜂と反対の方向に後退することが有効です。いったん攻撃を受けると攻撃に加わる蜂が次第に増加するため、急いでその場から離れましょう。
家の中に蜂が入ってきた場合は、明るい側の窓や戸を開け、刺激しないように蜂が外へ出ていくのを待つ、または殺虫剤を蜂から1~3m離して噴霧するとよいでしょう。
以上に気を付けて蜂刺傷を回避し、素敵な山香の自然を満喫しましょう。蜂刺傷の被害に遭った時はぜひご相談ください。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU