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山香病院だより vol.183「熱中症について」

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大分県杵築市

■「熱中症について」
総合診療科 安部(あべ) さやか

今年度、山香病院に赴任いたしました総合診療科の安部さやかです。
だんだんと暑さが厳しくなり、みなさまに注意していただきたい病気が「熱中症」です。令和4年度に杵築市・日出町において熱中症で救急搬送された方は38名で、そのうち小児が3名、成人が9名、高齢者が26名です。また、意外かも知れませんが、杵築市・日出町において救急搬送された方のおよそ6割の方が自宅で熱中症を発症しています。
熱中症の症状は多彩であり、軽症例では下痢、めまい、ふらつき、頭痛、吐き気など、一見熱中症を疑いにくいことも多いです。重症度が高くなると、体のミネラルのバランスが崩れたり、腎臓の機能が低下したり、けいれんが起きることもあり、最悪の場合には命を落としてしまう危険性もあります。
熱中症を予防するためには、
・扇風機やエアコンで温度をこまめに調節する
・遮光カーテン・すだれ・打ち水を利用する
・外出時には日傘や帽子を着用する
・天気のよい日は日陰の利用・こまめな休憩を取る
・吸湿性・速乾性のある通気性のよい衣類を着用する
・保冷剤・氷・冷たいタオルなどで体を冷やす
などが挙げられ、のどの渇きを感じていなくてもこまめに水分・塩分補給を行うことが重要です。新型コロナウイルス感染症の影響で、習慣づいている方も多いと思いますが、定期的な体温測定も、特に暑さを感じにくく体温調節機能が低下している高齢者にとっては大切でしょう。さらに、国が「暑さ指数」や「熱中症警戒アラート」など運用しているため、これらの情報を活用し、外出時間の調整やエアコン使用の励行を行うとよりよいでしょう。
熱中症の応急処置として、
(1)エアコンの効いている室内や風通しのよい日陰など涼しい場所へ避難
(2)衣類をゆるめ、体を冷やす(首周り・脇の下・足の付け根など)
(3)水分・塩分の補給を早急に行う
などが必要でありますが、自力で水が飲めない場合や応答がおかしい場合はためらわずに救急車を呼びましょう。
以上、熱中症に関する簡単なまとめでしたが、知識の整理になれば幸いです。みなさまが思い出に残るよい夏を過ごせるよう願っております。

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