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杵築の至宝 No.29『国東塔』〔山香地域〕

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大分県杵築市

■国東塔(くにざきとう)(通称:泉福寺国東塔(せんぷくじくにざきとう))〔山香地域〕
県指定年月日:1963年2月15日
建造物/県指定有形文化財/泉福寺講中

杵築市山香町山浦の長田地区には、かつて曹洞宗の金亀山泉福寺(こんきさんせんぷくじ)がありましたが、今は廃寺となり堂宇(どうう)だけが残されています。泉福寺跡の境内には、県指定有形文化財である国東塔(くにさきとう)一基をはじめとする石造物が残っています。
国東塔は、溶結凝灰岩製(ぎょうけつきょうかいがん)で、基礎は4重、台座は返花(かえりばな)のみでここまでを一石で造っています。塔身は茶壷型(ちゃつぼがた)で塔身首部に方形の孔があり、塔身と返花の内部はくり抜かれて、基礎の上部に達しています。笠は照屋根(てりやね)で軒先の下部はまっすぐ反りがありません。基礎も露盤(ろばん)も格狭間(こうざま)や連子などの彫刻を欠き、宝珠(ほうじゅ)を取り巻く火焔(かえん)も省略されています。一般的に基礎は3重であるのに対し4重であるなど、ほかとは異なる構造やシンプルな彫刻ですが、造立当時の完全が形が残っています。また塔身には多数の銘文のあとが見え、「講衆 観応三壬辰十 廿五 各□」という陰刻から、観応(かんのう)3年(1352)の南北朝時代中ごろの作品であることがわかります。

お問い合せ:文化・スポーツ振興課文化財係
【電話】0978-63-5558

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