杵築市長 永松 悟
■通院支援
少子化と高齢化による人口の急減が進む中で、人手不足もありバス・タクシーなどの公共交通の縮小や撤退が続いています。一方で運転免許を返納する高齢者が増え、過疎地に限らず足の確保が地方の最大の課題になっています。
杵築市ではコロナ禍も重なり、一人暮らしの高齢者を中心に通院が難しい患者さんが出てきました。
そこで、山香病院では5年前から、外来予約の入っている患者さんの自宅から病院までの送迎(door to door型)を行っています。もちろん、山香地域だけでなく、杵築地域・大田地域の患者さんにも対応しています。
毎年、利用者は増加しており、昨年度は2788人(233人/月)で、患者さんをはじめ、送り出すご家族にも好評をいただいています。
■医療MaaS(マース)
それでも、諸事情で通院困難な市民がいます。早期発見や重症化予防のために、市役所と山香病院では、内閣府の事業「医療MaaS」に取り組むことにしました。
これは、通信機器や超音波画像診断装置などの検査機器類を搭載した車両で地域を訪問し、衛星通信を利用したオンラインによる医師の診察や健康相談などを行う画期的な事業です。
先日、私も市役所に来た啓発用の診療車に乗り、山香病院にいる小野院長先生のオンライン診療を受けました。鮮明な画像を見ながら双方向で会話ができ、安心感と納得感は満点でした。
年度内には、山香病院で活動を始めます。大分県で初の取組です。
総合診療医や診療看護師などがチームとして各地域に出かけ、「健幸なまちづくり」を牽引してまいります。
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