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杵築の至宝 No.32『西明寺木造毘沙門天立像』〔山香地域〕

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大分県杵築市

■西明寺木造毘沙門天立像(さいみょうじもくぞうびしゃもんてんりゅうぞう)〔山香地域〕
県指定年月日:1955年5月27日
彫刻/県指定有形文化財/西明寺講中

西明寺は標高約260mの辻小野山(つじおさん)(山香町内河野地区)の頂上付近に位置する古刹で、中世期頃には六郷満山の本山末寺(もとやままつじ)に属するなど、六僧坊が存在し、修験道(しゅげんどう)の行場(ぎょうば)として栄えました。境内には、石造三重塔や千手観音菩薩坐像(せんじゅかんのんぼさつぞう)、木造仁王像といった往時の繁栄を物語る仏教美術の文化財が今なお、現存しています。
毘沙門堂内に安置されている毘沙門天立像は、像高が160cmほどで、樟材(くすざい)を利用して頭頂部から足枘(あしほぞ)まで一木造りで彫像されています。全体的に浅彫り仕上げとなっており、背面の後頭部から裾先まで割(わ)り矧(は)ぎ内刳(うちぐ)りを施しています。西明寺の毘沙門天の様相は、甲冑(かっちゅう)に身を固め、頭には簡素な冠を着け、右手には鉾を持ち、左手には掌(たなごころ)に宝塔を持ち、足下には邪鬼を踏んだ立ち姿で形容されています。
昭和32年(1957)には、長年の経年劣化による腐朽損傷(ふきゅうそんしょう)が目立っていたこともあり、修理が施されました。その際胎内から墨書銘が発見され、永久(えいきゅう)5年(1117)に無縁僧隆厳が中心となって祈願し、造立された毘沙門天であることが判明しました。

お問い合せ:文化・スポーツ振興課 文化振興係
【電話】0978-62-5750

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