■秋英筆真景図集 附奥書一枚(しゅうえいひつしんけいずしゅう つけたりおくがきいちまい)
〔杵築地域〕
県指定年月日:2024年2月16日
絵画/県指定有形文化財/杵築市
本作品は、江戸後期から明治時代初期にかけて活躍した足立秋英(あだちしゅうえい)(1825~1895)が描いたもので、画面99枚、中国人による賛辞2枚、秋英自賛1枚の102枚で構成されています。また、昭和35年(1960)の杵築市指定文化財の第一号となった際に、散逸を防ぐ目的から現在のような表装形態に仕立て直されており、真景図集を高く評価した土居寛申(どいひろみ)氏による指定理由書がのちに付与されています。
作品の年代としては、文久3年(1863)から明治24年(1891)までの年代が確認されており、杵築藩の領内を描いた作品をはじめ、藩主の参勤交代に随行した際に描いたと推定される瀬戸内海沿岸部や東海道中での風景画などが繊細かつ緻密(ちみつ)な描写で表現されています。これらの作品には当時の町並みや生産生業を描いたものも含まれており、美術品としてだけではなく、歴史史料としても高く評価されたことを受けて、大分県文化財保護審議会の諮問を経て、令和6年2月に県指定文化財として新たに指定されました。
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