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木綿(ゆふ)の山通信

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大分県由布市

7月24日から26日にかけて「わんぱくサマーチャレンジwithBG塾」が開催されました。
2日目に子どもたちが訪れた男池に関する伝説を今回はご紹介します。

黒岳の北麓、千町無田(せんちょうむた)の東のはずれにある男池には昔、龍神が住むと言い伝えられていた。当時この地で絶大な力を持っていたのは千町無田の朝日長者であった。
ある年、干害がこの地を襲い、困り果てた朝日長者は龍神が住むという男池に雨乞いに行くことにした。長者は「もし雨を降らしてくれたなら、私の娘のうちの一人を差し上げましょう」と懸命に祈りつづけた。すると、あたりが暗くなり大粒の雨が降り始めたではないか。川は水があふれ、田畑も山もすっかり生気を取りもどした。
しかし龍神との約束を思うと、長者の心は一日として晴れることは無かった。
長者には三人の娘がいた。顔をくもらせ一人考え込んでいる父親の様子を心配した娘たちは理由を問いただし、龍神との約束を聞き出した。これを聞いた長女は自分が犠牲になると申し出たが、次女が家を継ぐのは長女であるため代わりに自分が犠牲になると主張し、お互いに譲らなかった。その言い争いを聞いていた三女は「自分が犠牲になれば良いのだ」と黙って家を抜け出した。池のほとりについた三女は、懐に入れてきた観音像を安置し一心にお経を唱え始めた。ほどなく、一匹の大蛇が現れ、三女を飲み込もうととびかかってきたが、不思議なことに観音像が輝きだし蛇の口に飛び込んでいった。すると、大蛇がおとなしくなり、人間の言葉で「私は、あなたの先祖に仕えていた乳母であった。故あってこのような姿になり苦しんでいたが、観音菩薩の慈悲、あなたの孝心、信心により極楽浄土へ行くことができる。白水川に沿って山を下りなさい。幸せが待っている。」
大蛇の言葉を信じて山を下りた三女は、玖珠町にいた多久見長者の屋敷で働くことになり、長者の息子と結婚することになる。やがて親が朝日長者であることが分かると、三女も父と再会することができた。
(庄内町誌より要約・抜粋)

この伝説は、別の語り口のものも存在し、経緯や結末が違う別の物語になっています。
地元の伝説を調べて読んでみると面白い発見があるかもしれません。

問合せ:社会教育課
【電話】097–582–1203

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