■令和5年度 市の決算状況をお知らせします
●令和5年度の目的別の主な経費
「決算審査を終えて」
由布市監査委員 大塚裕生・平松惠美男
令和5年度の由布市一般会計、由布市国民健康保険特別会計、由布市介護保険特別会計、由布市農業集落排水事業特別会計、由布市後期高齢者医療特別会計、由布市水道事業会計の決算について、証拠書類の整備状況、計数の正確性、財産や基金の管理状況などについて審査を行いました。
審査の結果、決算書表示の計数は正確に処理され、基金についても適正に管理されていることを確認しました。
まず、一般会計についてですが、歳入、歳出ともに令和4年度に比べて減少となっています。また、4つの特別会計については、すべての特別会計において一般会計からの繰入が行われております。市の貯金ともいえる財政調整基金については、残高が約23億円となっています。
令和5年度は、国からの各種交付金などにより、数値的な収支は安定していますが、新たな財源の確保など、歳入増に向けた効果的な対策が必要であると考えます。また、市税、各種料金などの未収金対策や、不用額、補助金の適切な取り扱いなどについて、積極的な取り組みを求めております。令和5年度は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、経済社会活動の正常化が進む中ではありますが、世界情勢の不安に伴う燃料・資機材の高騰や気象変動による大規模な自然災害の増加など、今後も厳しい財政運営が続くものと見込まれます。
次に、水道事業会計についてですが、経営状況は依然として厳しく、水を供給すればするほど赤字が拡大する状態が続いており、一般会計からの繰入金によって経営を維持できている状況であります。
そのような状況の中、令和6年1月から料金が大幅に変動する使用者への配慮として4年間の激変緩和措置を講じた上で、水道料金の改定を行いました。今後も引き続き、料金改定の定着に向けた取り組みを進めていただきたいと思います。また、水道料金の収納については、固定化・常態化した長期滞納者への働きかけなど、滞納整理に向けた取り組みを強化し、収納率の向上に努めていただきたいと思います。今後も老朽管の更新など多額の費用がかかることが予想されるため、経営改善に取り組む必要があると考えます。
最後に、コロナ禍以降、市の予算規模は増加が続いており、財政規模は大きく膨らんでいます。今後も、限られた財源で効果的な事業成果を上げられるよう努めるとともに、新たな財源の確保や歳出の見直し、施策の重点化・効率化に取り組み、由布市の将来を見据えた持続可能な財政運営を行っていただきたいと思います。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>