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自治体の皆さまへ

コロナを超え、都市間交流の第一歩として 多くの皆様が育んだ国際姉妹都市交流

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大分県竹田市

■土居市長、バート・クロツィンゲン市訪問
平成元(1989)年11月23日。旧直入町の故岩屋万一町長らが世界一の炭酸泉の活用方法を視察するため、ドイツ連邦共和国バート・クロツィンゲン市を初めて訪問し、交流がスタート。「炭酸泉」をキーワードとしたその歴史に34年の時を刻んだ今年、新型コロナウイルス感染症による渡航制限が撤廃されたことを受け、11人の訪問団が海を渡り、強い絆で結ばれた友人との再会を喜びました。

◇さまざまな制限の中での交流
本市には、国内外に姉妹・友好都市が7都市あり、それぞれ市民交流が行われています。令和2年の土居市長就任後は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大によりさまざまな制限があり、交流自体が自粛されていました。
国内にある姉妹・友好都市については、土居市長が就任以来全国市長会等の会議の折を見て、情報交換をするなど徐々に往来を進めてきました。特に長野県中野市には中学生を3年ぶりに派遣し、またブドウなどの果樹栽培に関する研修を実施し交流を深めました。しかし、国外については渡航が規制されていたため、特に対面での交流(中学生海外派遣事業など)が実施できませんでした。
昨年末、世界的な渡航緩和をきっかけに、バート・クロツィンゲン市のキーバー市長から土居市長にあてて、7月15日、現地で開催される「光のまつり」への招待をいただきました。
このまつりは、両市交流20周年記念式典を本市で開催した際に、たけた竹灯籠「竹楽」に感銘を受け、現地で始められたイベントです。現地で使用している燻製竹は、実際に竹楽で使用されたもので、船便にて2回届けられ、以後開催されています。
しかしながら、コロナ禍により実施できず、今年通常開催を計画する中で、バート・クロツィンゲン市の姉妹都市であるフランス・グレウーレバン市、スロバキア・ボイニツィ市、竹田市の各市長が一堂に会する形での招待となりました。特に22回の長い歴史を刻む中学生派遣事業が懸案となっており、7月13日から20日の間、佐藤美樹市議会議長、志賀教育長他11人の訪問団も現地を訪れ、再開を模索しました。

◇温かい歓待・対面交流の魅力
14日現地に到着した一行は、バート・クロツィンゲン市のホストファミリーをはじめ関係者の歓迎を受けました。歓迎会終了後、長湯温泉文化療養文化館「御前湯」と姉妹温泉施設を締結している「ヴィタクラシカ」を体験。世界屈指の高濃度炭酸泉で時差ボケと長旅の疲れを癒しました。翌日、ヴィタクラシカのルブザーメン館長より施設の説明を受け、日本家屋の休憩所や日本庭園を見学し、これまでの交流の歴史とその深さを再認識しました。館長から、現在保養ホテルを新たに建設中で、そのホテルから直接入室できる新しいゾーンや今後新たな日本庭園も新設し、さらに進化を続けると説明がありました。その後、バート・クロツィンゲン市の姉妹都市で新たに市長就任をしたスロベキア・ボイニツィ市のスマタナ市長と土居市長がそれぞれ金の本とよばれるゲスト本に署名。キーバー市長は、「コロナでお二人に会える日をずっと待っていた。遠くから来ていただいて対面でこうやって交流ができることに感激している。これからも交流を深めていきたい」とあいさつ。土居市長は「長い間多くの方々が深めてきたこの交流をさらに深めていきたい。また、各市のまちづくり政策を今後の竹田市づくりに活かしていきたい」と述べました。バート・クロツィンゲン市の人口は、2005年から6千人増加しており、今後、幼稚園などの新設が計画されているなどの報告がありました。その後、中心市街地の再開発現場を視察し、市民の生活や文化などに触れました。

◇人的交流は大切な教育の一環
1996年に初めて派遣され相互交流を続ける中学生国際交流事業。受入中学校のシュタイン・ザビーネ校長先生は「多様な異文化に触れることができる相互交流は学校教育以上の効果があり有益。それ以上に平和の礎となるでしょう。再開し事業を深めたい」とのあいさつ。派遣については具体的に教育委員会で検討を進めますが、来年12月から再開予定となっています。

◇新たな交流の懸け橋
今回の訪問では、「光のまつり」で使用する竹灯籠や国内生産トップであるサフランの活用方法も模索されました。特にヨーロッパでのサフラン活用が美容分野に拡大する中、サフラン生産組合の皆さんのご協力も得て、交流に参加したそれぞれの市に贈呈するなど販路拡大を目指した取り組みも行われました。

◇対面交流の素晴らしさ
今年は瀧廉太郎没後120年の節目にあたることから、廉太郎が過ごしたライプツィヒ市も訪問し、廉太郎が暮らした下宿跡前で「荒城の月」を合唱しました。今回の訪問では対面交流の素晴らしさを再認識するとともに、交流を継続していくことの大切さを深く認識しました。

◆新たな視点で
竹活用百人委員会 田部 顕一郎さん
今回の交流の中でドイツの生活文化の中でさまざまな新たな視点を発見できた。特に脱炭素が進むドイツでは、自転車の活用に目についた。歩道と自転車道の分離や観光用自転車などモビリティの高さに感銘を受けた。パークアンドライドの進むドイツでは、観光地に車を持ち込まない都市計画や資源の有効活用など考えさせられた。竹楽から始まった光のまつりとの交流をもっと深めたい。これまで多くの皆さんが培った交流の素晴らしさを肌で感じ、これからの交流の懸け橋となれればと訪問を通じて感じた。

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