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まるごと博物館213

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大分県竹田市

■「小国街道」の松並木
久住高原の象徴的な風物詩松並木は、国道442号沿いに約4キロメートルに及んでいる。昭和36(1961)年9月22日に名勝として久住町指定(合併後竹田市指定)とされている。指定当時は樹齢100年以上の黒松が442本もあった。この松並木は、江戸時代肥後細川藩主の側用人、松山権兵衛が街道の景観を引き立たせるため植樹したもので、以後高原の厳しい風雪に耐えて現在に及んでいる。松並木に沿う街道は、江戸時代から日田天領と久住・竹田を結ぶ唯一の要路で、小国街道とか日田往還と呼ばれ、広瀬淡窓(寛政7年)頼山陽(文政元年)などもこの街道を通って高原の美しさをたたえ、竹田の田能村竹田等との交流を深めてきた。
昭和の初めに北原白秋や与謝野寛・晶子夫妻、野口雨情や徳富蘇峰など多くの文人が久住の高原美に魅せられた。また、川端康成も小説の取材にこの高原の松並木の側の路を旅したことはよく知られている。
現在に至るまで、松食い虫の被害や枯死する木が次々と発生し、重大な問題を投げかけている。
何とか江戸時代から続くこの美しい景観を残し、これからも多くの人々がさまざまな思いをもってこの松並木に沿って旅を続けてほしいものである。
竹田市文化財保護調査委員(田北敏彦)

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