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第226回郷土の植物(417)

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大分県竹田市

■ナワシログミ(グミ科)阿孫久見
低地から山地の林内や林のふちに生育する高さ3メートルほどの常緑の木本性つる植物です。樹皮は灰褐色で皮目(イボのようなぶつぶつ)があります。小枝は鋭くとがった刺に変化し、葉のわきにも刺があり触ると痛いです。材質は強じんで手で折っても折れにくいです。
互生の葉は全縁で厚い革質で、ふちは著しく波うつ長楕円形です。大きさは大小ありますが、下部のもので長さ11センチ、幅が4・2センチほどです。表面は濃緑色で光沢があり、裏面は銀色の鱗片毛が密生し、その上に褐色の鱗片毛が点々とまりじます。特に主脈は凸状になり褐色で目立ちます。
秋の頃、葉のわきに数個の白黄色の径6ミリほどのがくが筒状になった長さ13ミリほどの先が4裂する地味な花を咲かせます。花のあと、長楕円形の径1センチほどの赤く熟す偽果(子房に子房以外の部分が加わってできた果実)をつけます。果実の先には枯れたがく筒が残ります。
和名の由来は苗代を作るころに果実をつけることで苗代茱萸の名があります。
竹田では、里山の林のふちや山地の林内でごく普通に観察されます。花期は10月から11月です。

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