■もしものとき、7割の人が自分の意思で決められない?
誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。命の危険が迫った状態になると、約70%の方が、医療やケアなどを自分で決めたり望みを人に伝えたりすることができなくなると言われています。
そのため、自らが希望する医療やケアを受けるために大切にしていることや望んでいること、どこでどのような医療やケアを望むかを自分自身で前もって考え、周囲の信頼する人たちと繰り返し話し合い、共有することが重要です。
このような取り組みを「人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)」と言います。
厚生労働省は、毎年11月30日(いい看取り・看取られ)を「人生会議の日」とし、人生の最終段階における医療・ケアについて考える日としています。
■そのときが近くなればなるほど 身近な関係であるほど話しづらい
家族など、身近で親密な関係であるほど、将来のもしものときの話はなかなか切り出しづらいものです。
ましてや実際に、身近で親密な関係にある存在に命の危険が迫った状態で、延命治療をするかどうかなど冷静な判断をすることは、なお難しいものです。
県が令和5年に行った調査においても、家族や医療介護関係者等と繰り返し話し合う人生会議について、約6割の方が賛成しているものの、実際に話し合ったことがある方は3割といった結果が出ています。
また民間の保険会社が行った調査では、両親が持っている老後の希望等について、子世代が聞いておきたいと思っているが、実際には聞けていない現状があることも明らかになっています。
特に、「死」に関する話題は身近で親密な関係であればあるほど、敬遠されて、話したくない気持ちが大きくなり、話し合うきっかけづくりさえ難しくなっていることが考えられます。
■人生の中で大切にしてきたことを語り合うことから
もしものときの判断のためには、それまでの人生において大切にしてきたことや、その価値観について、あらかじめ語り合い、ふれておくことが大切です。
ご自身のため、家族のために、素直な想いを伝え合うことが、家族の安心にも繋がり、それぞれが自分らしく生きることにも繋がります。
■きっかけづくりとして活用して欲しい人生会議ノート
本市では、人生会議を行いたいと思う方が、人生会議の手順を確認しながら記録できるノートを無料で配布しています。
ご希望の方は、高齢者福祉課までお問い合わせいただくか、市公式ホームページからダウンロードしてご利用ください。
問合せ:高齢者福祉課
【電話】63-4809
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