■コバノクロウメモドキ(クロウメモドキ科)
阿孫久見
丘陵地から山地の谷沿いの林内に生育する高さ3メートルほどの雌雄異株の落葉低木です。クロウメモドキの変種で石灰岩・蛇紋岩地に多く生える植物です。樹皮は灰褐色で成木になると幹に亀裂が入り、うすくはがれます。枝には短枝と長枝とがあり、長枝の先端は刺になっています。
長枝では対生に、短枝には束生状につく葉は低い鋸歯があり、先が広い倒卵形で基部はくさび形です。大きさは長さ3センチ、幅が2センチほどです。
初夏の頃ころ、葉のわきや短枝に数個の径8ミリほどの小さな花弁の先がとがる長三角形の黄白色の4弁花(写真は雄花)を枝にくっつくようにして咲かせます。花のあと、径6ミリほどの黒く熟す球形の果実をつけます。
和名の由来はクロウメモドキより葉が小型でウメモドキに似た黒い実をつけるので小葉の黒梅擬の名があります。
竹田では、祖母・くじゅう山系の林内で、たまに観察させますが個体の少ない植物です。花期は4月から5月です。
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