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竹田医師会病院 健康だより 第23回

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大分県竹田市

■大腸内視鏡検査はどこで受けても同じ?
大腸がん検診(便潜血検査)では早期癌の半数、進行癌の約15パーセントが見落とされてしまい、大腸癌(がん)から身を守るために十分とはいえません。内視鏡医のマンパワーとコストの関係で残念ながら日本では検診に組み込まれていませんが、大腸内視鏡検査は検査精度の点で、はるかに優れています。癌に変わる前のポリープも発見でき、そのまま切除もできます。では、「大腸内視鏡検査はどこで受けても同じ」なのでしょうか?
大腸内視鏡検査の質を決める主な要素は、(1)内視鏡医の技量、(2)内視鏡本体の性能、(3)助手の技量です。
近年、映し出された画面からポリープを見つけるAIの技術は、飛躍的に進歩し熟練した内視鏡医の技術に迫っています。しかし、内視鏡を操作し、その画面を映し出すのも治療(ポリープ切除)するのも人間である内視鏡医です。大腸は管(くだ)ですが、所々急カーブがあり、内部には蛇腹(じゃばら)状にヒダがせり出すなど多くの死角があります。カーブやヒダの裏側を観察したり、そのような場所にあるポリープを切除するには、それなりの技術を要します。内視鏡の先端を上下左右に屈曲させたり、内視鏡を回転させたりと適切な視野を確保します。手術と同じように、良い視野を確保することで安全かつ質の高い治療が可能になり、内視鏡医の腕の見せ所でもあります。
内視鏡本体もさまざまな電化製品と同じく、常に進化を遂げています。同じ内視鏡医が検査を行っても、機材が古いと操作性が悪い場合や画面上の見え方が悪いなど、結果として病変を見落としやすくなります。
また、助手の技量も大切です。ポリープを切除する際、ポリープにかけるワイヤーの開け閉めや、止血のためのクリップを操作するのは助手の仕事です。助手が熟練していないと処置がスムーズに行えず、患者さんの苦痛や合併症の危険性が増します。
「大腸内視鏡検査はどこで受けても同じ」ではありません。人口の多い市なら質の高い検査を受けられるかと言うと、必ずしもそうではなく、検査を受ける際はよく考え、病気の早期発見につなげましょう。

問合せ:竹田医師会病院 大腸・肛門外科
【電話】63-3241

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