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八尾歴史物語 六十一巻

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大阪府八尾市

河内名所図会を歩く(12) ~十三街道の道標2~
高安山麓には、大正時代に建てられた「四千年前穴居跡(けっきょあと)」と刻まれた2つの道標がありました。これらは、高安山麓に数多く分布する古墳時代後期(千四百年前)の横穴式石室の古墳(千塚)を、遠い昔四千年前の洞穴の住居と人々が考えたものです。
道標が示す穴居跡とは、府下最大級の横穴式石室を有する愛宕塚(あたごづか)古墳です。愛宕塚古墳は、旧神立村西端の十三街道が北に曲がる四つ辻のすぐ南西に位置します。二つの道標の内、大竹観音堂前の道標は、十三街道を通る人たちの穴居跡への案内でした。一方、松の馬場にある道標は、東高野街道から玉祖(たまのおや)神社の参道を経て案内するものでした。
当時の新聞でも、代表的な穴居跡が見学できる観光地の一つとして、玉祖神社のそばの梅林とともに紹介されています。暗い石室内に灯りがともされたこともあったようです。
これらの道標は、横穴式石室を穴居跡とした戦前の高安山麓の観光の姿を知ることができる貴重な道標です。大正十三年(1924年)の大阪電気軌道が八尾駅(現在の近鉄八尾駅)に延伸するころには、横穴式石室は古墳の埋葬施設としてみられるようになります。
現在、愛宕塚古墳は府指定史跡になっています。石室内の発掘調査で、きらびやかな馬具や大刀、たくさんの須恵器などの副葬品が出土しており、これらも府指定文化財です。古墳の被葬者には、古墳時代の有力氏族であった物部氏との関連が指摘されています。(つづく)

問合せ:観光・文化財課
【電話】924・8555【FAX】924・3995

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