◆(7)日本鉄炮御由緒大筒絵図(にほんてっぽうごゆいしょおおづつえず)・大筒(複製)
慶長14(1609)年、徳川家康は諸国の鉄砲鍛冶たちに、鉄製の大筒(大砲)を製作するように命じました。鍛冶たちがためらう中、名乗りを上げたのは、堺の鉄砲鍛冶、芝辻理右衛門助延(しばつじりえもんすけのぶ)ただ一人でした。当時の技術では大筒の製作は難しく、助延は2年もの間、試行錯誤を続けます。そして、慶長16(1611)年、全長3m25cm、砲丸の重量約5.6kgにもなる大筒を完成させ、その様子を図面に残しました。
堺市博物館では現在この大筒の複製を所蔵しています(実物は靖國神社蔵)。大筒は調査によって、鋳造(熱した鉄を鋳型に流し込む技法)ではなく、鍛造(熱した鉄を叩いて成形する技法)によって製作されたことが分かっています。
これらの資料は、堺市博物館企画展「芝辻理右衛門家文書と堺の鉄炮鍛冶」(6月9日まで)で展示中です。
問合せ:学芸課
【電話】245-6201
【FAX】245-6263
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