◆株式会社梅仙堂・営業企画室室長 前田有世さん
◇あなたの夢は?
・大阪の文化 おこしを若い世代に伝えたい
梅田の真ん中で、おこしを作り続ける梅仙堂。店頭には、江戸時代から受け継がれてきたという大阪名物「天狗(てんぐ)おこし」と、2021年に前田さんが立ち上げたブランド「うめだOKOSHIファクトリー」の可愛いパッケージが並びます。
会社勤めを経てオーストラリアに留学していた前田さんが、梅仙堂に入社したのは4年前。社長を務める父の願いを知り「30歳になるし、一度手伝ってみようかなと思って」。ところが、直後に始まったコロナ禍で手土産需要は激減。「若い人が食べてくれる商品で立て直しを」と意気込むものの、知識も経験もなし。社内の理解も得られず、もがき続けました。
そんな中、中小企業の商品開発を支援する「大阪商品計画」に応募、採用されたのが転機となりました。専門家のアドバイスを受けながら、半年後の東京での展示会出品をめざすプログラム。ベテラン社員を説得して、新しい商品づくりが動き出しました。
「縁起のいいイメージがある天狗を活かそう。でも、怖い天狗でなく可愛い天狗を」と考えて浮かんだのが姉妹のこと。前田さんは三つ子の次女です。そこで天狗の三姉妹を自ら描いて新ブランドの「顔」に。そして、きなこなど3種類のひと口おこしを発売しました。今は、健康志向の高まりや外国人を意識した商品を準備中です。
SNSでの発信も始め、少しずつ声が掛かるようになりましたが、「まだまだ全然です」と前田さん。昨年、大阪の同業者が倒産したことに衝撃を受けました。「おこしを大阪の文化として伝えていきたい。でも老舗というだけでは守れない。歴史を大事にしながらも、時代に合わせた挑戦を続けていかなければ」
週1回は店頭に立ちます。買い物ついでに立ち寄る人も多い場所。「買っても買わなくても、みなさんいろいろ話をしてくれる。それが楽しいし、すごく参考になります」
◇北区の魅力は?
誰もが気さくに話しかけてくれるところ
うめだOKOSHIファクトリーのインスタグラム
【HP】https://www.instagram.com/umedaokoshifactory/
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