「昨日、お月さん見ましたか?」「はーい!」「見たー!」。子どもたちが元気に手を挙げます。そしてお月さまの絵本の読み聞かせが始まると、静かに聞き入りました。
中秋の名月の翌日、豊崎東福祉会館(長柄東2)で地域子育てサロン「とよひが・うりぼうクラブ」が開かれました。主に0歳から3歳の子どもを育てる家族を応援する場として月に1回集い、親同士、子ども同士の交流や季節の行事を楽しんでいます。
◆主任児童委員ら多彩なスタッフ
「うり坊」はイノシシの赤ちゃんのこと。その名の通り亥(い)年の2007年に誕生した「うりぼうクラブ」を運営するのは13人のスタッフです。スタート時から務める廣畑尚美さんは「スタッフの仲が良くて多彩な経歴が特徴」と話します。地域の主任児童委員や民生委員を中心に、元保育士、書道の先生、PTA役員経験者など様々。絵本の読み聞かせをしていた川瀨恵子さんは、元保育士です。それぞれのキャリアや人脈で、活動の幅が広がります。
この日は10組の親子が参加しました。2人の子どもと参加した母親は「本当に居心地が良くて毎回来ています。年上の子を連れて参加している先輩ママから保育園や幼稚園のことを聞けるのもいい。スタッフさんもご近所なので、スーパーとかで会うと声を掛けてくれて、子どもが地域で育っている感じがします」。
1か月半の息子と訪れた母親は「今日が地域デビュー」と緊張気味でした。でも、「家で子どもが泣くと、すぐに抱っこしなきゃ、となるけど、ここだと気になりませんね」と次第にリラックス。先輩ママと話し、少し年上の赤ちゃんを見て、「あのぐらい大きくなれば、あんなことができるんだ」と分かったことも、安心感につながりました。
◆地元小学校との交流行事も
参加者の間で「これがすごい」と評判だったのは、近くの豊崎東小学校との交流です。例年、5年生がクリスマス会で歌や演奏を披露してくれて、サプライズのサンタクロースも登場。七夕には一緒に短冊を飾って遊びます。「昔、うりぼうに来てたんやで」と話す児童もいて、「子どもが小学校に上がるのが楽しみになってきました」とママさん。
地域子育てサロンには北区役所の担当保健師もサポートに入り、季節に合わせた話をしたり、相談に乗ったりしています。この日、食中毒予防についての話をした豊崎東地域担当保健師の山下みふゆさんは「こんなこと聞いていいのかな、などと悩まず何でも気軽に相談してほしい」。主任児童委員として「うりぼうクラブ」を主催する藤本由美さんは「ここで楽しくお話をして、分からないことは何でも聞いてください。子育ては一人じゃない、みんなで育ててるんだ、と感じていただければ」と話しています。
⇒本紙2・3面に子育て特集
SDGsアイコン:16 平和と公正をすべての人に
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