◆薬食さふらん堂 豊田オサムさん 豊田麻衣子さん
◇あなたの夢は?
・ちょっと元気になったりクスリと笑える存在に
大阪天満宮の表参道を歩くと、「薬食さふらん堂」(天神橋1)の白いのれんが目を引きます。地元の人はもちろん、合格祈願の参拝者や観光客、外国人が店をのぞき、豊田オサムさん、麻衣子さん親子の笑顔に迎えられます。
店内には、古いものでは飛鳥時代から続く日本各地の伝統薬が約35種類並びます。身近な薬草などを調合して作られ、継承されてきた薬は、長い間使われ続けてきた安心感があります。薬だけでなく体にいいものを、と国産の香辛料やハーブ、野菜など約80種の食品も置かれています。
薬剤師のオサムさんが営む町の薬局で育った麻衣子さん。「昭和の頃はお客さんがよく、丸椅子に座って父と話し込んでいました」。その後、父は調剤薬局に勤め、娘はデザイナーに。2人を再び近付けたのは、80歳を前にした父の「これからは楽しく生きたいな」という言葉でした。
自然の生薬を使ったレトロなパッケージの「昔からある薬」が気になっていた麻衣子さんは、「他にないコンセプトの店を一緒にやってみよう」と提案。自身も薬を販売する資格を取り、2人で日本の伝統薬を猛勉強。図書館で文献を調べ、製造元に足を運びました。そして令和の初め、「薬食さふらん堂」を開店。サフランは古くから生薬として使われ、スパイスにも染料にもなります。「サフランのように、いろんな方法で役に立つ店でありたい」との思いを込めました。
後醍醐天皇が名付けた「三光丸」、熱いうどんを食べた後に飲むと一晩で風邪が治るとうたう「うどんや風一夜薬」…。日本の伝統薬には物語とユーモアが詰まっています。
店先の看板や店内に、「干し芋ほしいもん!」といったオサムさん得意のダジャレが貼られ、「クスリと笑って、ちょっと元気になってもらえれば」と麻衣子さん。そんな会話が楽しくて、長居する客が少なくないそうです。かつての町の薬局のように。
◇北区の魅力は?
新旧も老若も溶け合っている
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