■企画から手作り 個性いろいろ
7月に入ると、区内のあちらこちらで地域ごとに催される夏祭りや盆踊り――北区の夏の風物詩です。企画から準備、後片付けまで、地域の皆さんが力を合わせて作り上げます。大きなやぐらにそろいの浴衣、味自慢の屋台、子どもたちの舞台発表や抽選会など、手作りだからこそ地域の個性が光ります。
◇趣向凝らした祭り楽しむ
菅南地域に住む40代の女性会社員は、子どもたちと一緒にあちこちの祭りを楽しみます。「この時期になると周りのママ友とも、今度はどこの祭り行く?といった話題になります」。そして地域それぞれに趣向を凝らし、プライドを持って運営されているのがわかる、と話します。
昨年、地元の祭りでは、盆踊りを踊った子どもにアイスキャンディーをプレゼント。「恥ずかしがる子も初めての子も、アイスに釣られて輪に入る。面白い仕掛けやな、と思います」。別の地域の祭りでは、小学生のソフトボールチームがボールを的に当てるゲームを出店。「得意分野を活かし、子どもたちも主体になって運営し、漏れなくそこでチームへの勧誘もしているのがいいですね」
上の子どもが小学校に入ってからはPTAとして屋台を手伝うようになり、ほとんどの店が、地域の人や保護者の手で運営されていることに驚きました。「新旧いろんな人がいるのに、チームワークがいいのが印象的でした」。祭りを通じて、地域の人と保護者に直接のコミュニケーションが生まれ、まちの活気や安全につながっている、と感じています。
◇新しい住民も担い手に
大型マンションの建設が相次ぐ中、地域イベントに新しい住民の姿も増えています。一昨年9月に堂島のマンションに引っ越してきた松酒亮平さん(30代)は昨年、扇町公園で開かれた北区民カーニバルで堂島地域のテントに顔を出しました。「子どものためにも、地域に知り合いを作りたかった」と話します。
頼まれてイベントを手伝うようになり、今年は堂島薬師堂の節分お水汲み祭りで鬼の付き添いを務め、お花見ではバーベキューを担当。「小学生の娘が、近所の方によく声を掛けてもらうようになりました。地域を盛り上げていきたいので、できることはやっていこうと思っています」
昨年夏の堂島盆踊りでは、ボランティアとして参加していた専修学校クラーク高等学院の生徒たちと出会いました。生徒たちは、ゲーム会社に勤める松酒さんの仕事に興味津々で、話が弾んだそうです。普段あまり接点のない世代の間に交流が生まれるのも、地域イベントの魅力です。
盆踊りや屋台などの楽しさだけでなく、人の温かさも感じられる地域の夏祭り。是非お近くの会場に足を運んでみてください。
・会場など詳細は4面
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