[城東区×SDGs]
3 すべての人に健康と福祉を
■かつては町ごとに一つはあったという銭湯。現在、城東区には11軒の銭湯があります。
今回は、“昭和”、“平成”、“令和”の情緒を感じさせる銭湯をご紹介します。
●菊水温泉(中浜1-3-6)
のれんをくぐると、今はあまり見ることのない番台、脱衣所にはヒノキの一枚板で作られた脱衣箱。まさに昭和レトロといった歴史を感じる空間が広がっており、この風景だけでも一見の価値があります。開業当初からある番台や脱衣箱は、深い色合いと光沢が美しく、これまで大事に手入れされてきたことが伝わってきます。
現在は薪を運んでくださるボランティアさんの手を借りながら、堂口龍蔵(どうぐちたつぞう)さん、松代(まつよ)さんご夫婦で営んでおられます。「地域の人々のため、続けられる限り頑張りたい。大きな浴槽で体の芯まで温まってもらえたら」とおっしゃられたことが印象的でした。
●しきしま温泉(放出西2-7-15)
道路に面する大きな窓から燦燦と陽が降りそそぐ広い休憩スペースには、ソファや観葉植物が設置され、地域の方のコミュニケーションの場ともなっています。平成の銭湯の特徴であるフロントが中央にあり、リニューアルを経てお風呂の種類も増えたそうです。
三代目の千田正彦(せんだまさひこ)さんからは、「気持ちよくお風呂に入ってもらえるよう、季節や気温でお風呂の温度を調整しています。」とこだわりを教えていただきました。
また、季節湯のほか、11月26日(いい風呂の日)と2月6日(風呂の日)にはりんごやボンタンなどのユニークな湯を提供されています。
●ユートピア白玉温泉(蒲生2-7-36)
令和4年8月に大規模改修され、倉庫だったスペースにコワーキングスペースが誕生しました。
休憩用のフリースペースや、パソコン作業ができるデスクが設置され、テレワークができる個室ブースや会議室もあるなど、新しい銭湯の形といえます。
二代目の北出守(きたでまもる)さんにお話を伺ったところ、当時のコロナ禍の影響もあって、「お風呂だけではない、プラスαを提供したい」という思いから、これらの空間が誕生したそうです。
また現在でも薪で湯を沸かすことができ、災害時には電気やガスに頼らない銭湯としての役割を果たしたいとの思いを語られました。
寒い日が続くこの季節、銭湯に訪れてみませんか。
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