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自治体の皆さまへ

伝えてみませんか?あなたの思い なにわ元気塾2023

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大阪府大阪市東淀川区 クリエイティブ・コモンズ

「なにわ元気塾」は、大阪市より社会福祉協議会が受託して、65歳以上の高齢者向けに介護予防教室として行われている地域活動です。
東淀川区では、その活動のひとつとして、昨年度に引き続き「人生会議」をテーマに挙げ、毎月1回、各地域の集会所で開催しています。
今年度のなにわ元気塾では、このような質問について「ご自身の思い」「これからの願い」を考え、話し合いました。ぜひ皆さんも一緒に考えてみてください。

今から1か月後のある日、あなたは交通事故で、頭を強く打って寝たきりの生活に。話をすることもできなくなってしまうと考えてみてください。
事故にあうまでの1か月間にしておきたいこと、ご家族や親しい方に伝えておきたいことを考えてみてください。

▽人・場所
会いたい人行きたい場所
・足が悪くてなかなか会えない、熊本にいる友人に会いたいわねぇ。
・やっぱりまずは子どもや夫、兄弟かしら。
・学生時代の部活の顧問かな。お世話になったお礼を言いたいです。
・妻や家族、おじやおば。あとは親友や仲間たちに会いたい。
・離れて暮らす兄弟に会いたい。

▽行為
やっておきたいこと
・お金や通帳のことなどきちんとしておかないとなぁ。
・自分が亡くなった後、周りが困らないように色々な希望を書き残しておきたい。
・家族と世界一周!豪華なホテルに泊まって思い出を作りたい。
・お世話になった人たちにお礼を言ってまわりたい。あとは旅行やグルメで最後の贅沢。
・キャッシュカードの暗証番号を家族に伝えておきたい。

▽医療・介護
希望や伝えておいたいこと
・無理な延命はしないでほしい。周りに迷惑がかからないようにしたい。
・なるべく自然体に過ごさせてほしいなぁ。眠るように逝けたら幸せ。
・家族や周りの人にお世話をかけずに、痛い思いをせずに穏やかに過ごしたい。

▽葬儀など
希望や伝えておいたいこと
・お世話になりました、来世もよろしくお願いします!と伝えたい。
・私がいなくなった後も、家族みんなで仲良く過ごしてね。
・残された妻のことをよろしくお願いしますと、信頼できる友人や知人に頼みたい。

■いかがでしたか?
この質問を通じて、考えていただきたかったこと
・もしもの時は誰にでも突然やってくる可能性がある
・もしもの時のことは、なかなか普段人と話す機会がない
・あなたの願いを大切な人と話をしておくと、その情報がとても役に立つ
・あなたの願いを大切な人と話し、ノートなどに書き記しておいていただきたい

▽自分の思いを伝えるオレンジノート~最後まで自分らしく生きるために~
オレンジノートは、将来の「もしも」に備えて、書き記しておくノートです。
最後のときまで自分らしく生きるために、自分が普段から大切に思っていることや、
医療・介護についての希望を話しあって書いておくものです。

■なにわ元気塾にご参加の方に、感想などを伺いました
吉田慶子(よしだけいこ)さん
荻久保安栄(おぎくぼやすえ)さん
平田勝子(ひらたかつこ)さん
南池和子(みなみいけかずこ)さん

吉田さん:なにわ元気塾はいつも参加しています。「介護予防ダンス」や「健康体操」の会など、自宅でもできるものもあり役に立っています。「人生会議」については、2年程前にオレンジノートを書いてから意識するように。今回は、もしもの時のために自分の思いを考えるいい機会になりました。
荻久保さん:ある日突然、夫が倒れてしまい、長期間に渡って延命治療をすることになった経験があります。誰もが突然、自分で意思決定できなくなる瞬間が訪れる可能性が…。ですから日頃から家族でよく話し合っておくことが大切だと、改めて気付かされるワークショップでした。
平田さん:思いを書き記すだけでなく「家族や身近な人と共有することが大切」と先生がおっしゃっていたのが印象的。オレンジノートの存在も初めて知りましたし、夫や子どもともきちんと話したいと思います。とてもためになる会だったので、今日参加できなかった知人にも「人生会議」のことを伝えたいです。
南池さん:自分の「いざという時」について、必ず来るとは分かっていながらあまり本気では考えて来ませんでした。離れて暮らす子どもたちと、お盆や正月に顔を合わせてもそういった話題にはなりませんでしたが、これからは「人生会議」について家族と話してみたいと思いました。

■たとえ急なことが起こったとしても、自分らしさを守るための「人生会議」
淀川キリスト教病院 緩和医療内科 副医務部長
池永昌之(いけながまさゆき)先生

急に病院にかからないといけない時には、あまりにも病状が悪いこともあり、自分の医療や介護、今後の生活についての希望は、十分には話せないことが少なくありません。そういった場合には、病院の医療者によって治療や今後の生活が決められてしまうことも多いのです。
この先、2040年に向けてわが国では65歳以上の高齢者人口が増えていきます。そうすると、病院や医院への通院や入院だけで治療するのではなく、その地域の医療や介護の専門職が患者さんを訪問する訪問診療や、高齢者施設への入所も、あわただしく考えないといけないかもしれません。
私たちは、自分の医療や介護に対する希望、価値観や人生観(自分らしさ)を家族や周りの人に話すことをとおして、できるだけ自分の願いに沿った過ごし方ができる地域づくりをめざしていきたいと思います。

■区長からひとこと 最後まで自分らしく生きるために
皆さんは、病気やケガ、加齢などにより自身の自由が利かなくなったとき、どのように暮らしていきたいか考えたことはありますか。
誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。命の危険が迫った状態になると、約70%の方が、医療やケアなどを自分で決めたり望みを人に伝えたりすることが、できなくなると言われています。
自らが希望する医療やケアを受けるために、大切にしていることや望んでいること、どこでどのような医療やケアを望むかを自分自身で前もって考え、周囲の信頼する人たちと話し合い、共有することが重要です。元気なうちに話し合う機会をぜひ作ってみてください。

東淀川区長 西山忠邦

問合せ:保健企画2階22番
【電話】06-4809-9882

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