日頃の見守り活動や地域のつながりづくりのため、浪速区社会福祉協議会の中に見守り相談室が設置されています。見守り相談室では、福祉の専門家が、多種多様なお困り事の相談に応じて、地域や制度につなげるパイプの役割を担っています。
■浪速区見守り相談室の役割とは
◆1 要援護者名簿の作成・整理
地域における日頃の見守り活動や災害時の安否確認・避難支援の際に活用するため要援護者名簿 注 を作成しています。作成された要援護者名簿は、見守り活動を行う地域団体や行政機関に提供され、日頃の見守り活動や災害時に活用されます。
注 要援護者名簿とは、行政が保有する要援護者情報をもとに、対象者に郵送・訪問による同意確認を行い、同意された方の情報をまとめたものです。
◇要援護者の対象となる方
▽高齢者
・要介護3以上、もしくは要介護2以下で認知症高齢者の日常生活自立度2以上
▽障がい者
・身体障がい者1・2級
・知的障がい者A
・精神障がい者1級
・視覚障がい・聴覚障がい者3・4級
・音声・言語機能障がい者3級
・肢体不自由者3級
▽難病患者
・人工呼吸器装着等の医療機器などへの依存が高い方
・要援護者⇔同意確認⇔要援護者名簿(見守り相談 名簿提供 地域の見守り活動への支援)
・地域 町会・民生委員・地域団体等(日頃からの見守り)
◆2 孤立世帯などへの専門的対応
複合的な課題を抱える世帯、支援の必要性が高い世帯に対して福祉の専門職員が粘り強くアウトリーチ 注 を行います。本人との信頼関係を築きながら必要なサービスや関係機関、地域の見守り活動にもつないでいきます。
注 アウトリーチとは本人から要請がない場合でも職員が積極的に出向いていく援助のことを言います。
福祉専門職のワーカー CSW
粘り強くアウトリーチ
孤立世帯者(複合的な課題を抱える世帯、支援の必要性が高い世帯 福祉サービスを受けていない独居高齢者など)
福祉サービス等へのつなぎ
福祉サービス 地域での見守り活動
◆3 認知症の高齢者などの行方不明時の早期発見
事前に登録した認知症の高齢者などが行方不明になった場合に、氏名や特徴などの情報をメールで協力者 地域団体や民間事業者など に配信し、行方不明者の早期発見、保護へとつなぎます。
写真 身体的特徴など
事前登録⇩
見守り相談室
行方不明発生 メール等配信
⇩協力者
■浪速区見守り相談室の3名にインタビューをしました
左から田中さん、東野さん、三木さん
◆見守り相談室のお仕事について
Q 見守り相談室では普段どのような仕事をしていますか。
三木さん 要援護者名簿の作成・整理、孤立世帯などへの専門的対応、認知症の高齢者などの行方不明時の早期発見という3つの役割を担っています。
見守り相談室では日ごろから地域福祉サポーター 注 や関係機関などと連携し、地域社会で孤立している方や複合的な課題を抱えた方への訪問や相談支援を行っています。また、地域とともに地域見守り会議を開催し、見守りネットワークづくりを進めてます。
注 地域福祉サポーターって 地域の見守り活動 訪問や電話など、日頃のちょっとした相談にのるなど、区内10か所で地域の方々のつながりづくりをお手伝いする活動をしています。
Q 認知症高齢者の方が行方不明になった時、見守り相談室ではどのような対応をしていますか。
田中さん 協力者 介護事業所や民生委員児童委員等に行方不明時のメール配信を行っています。警察から保護の問い合わせがあった際は、家族や介護事業所に連絡を行い、少しでも早い発見につなげるように対応しています。
Q 支援につながっていない方をサービスにつないだ事例はありますか。
田中さん 見守りの要援護者登録で同意訪問をした時に、介護保険などのサービスにつながっていない方がいました。入院中に介護認定申請をしていたものの、退院して家に帰り、その後サービス利用をしていなかった方がいたので、サービスを申込み、地域につなげることができたという事例がありました。
三木さん 水道局から未払いが続いていると連絡があり、ご自宅を訪問したところ、困りごとを相談していただき、生活保護の申請をすることになりました。新しい生活が始まり、病院の受診や障がい福祉サービスにつながったという事例がありました。
田中さん 他にも、介護サービスを利用していない方が単身で不安と相談に来られ、長期間見守りをしました。その結果、介護サービスにつながりました。つないで終わりではなく、つながってからも見守ることが大事だと思っています。
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